ID非公開さん
(1)
【有界閉集合であること】
離散距離空間の距離は高々 1 だから任意の部分集合が有界であることは明らか.
離散距離空間の任意の 1 点集合は開集合であり, したがって, 任意の部分集合が開集合となる. そうすると, 開集合の補集合が閉集合であることから, 任意の部分集合が閉集合となる.
【コンパクトではないこと】
任意の無限部分集合 A について, {{x}|x∈A} が A の開被覆になることは明らか.
{{x}|x∈A} から, ある 1 点集合 {a} をだけを除外すると, A の被覆にはならない.
したがって, {{x}|x∈A} は有限部分被覆を持たない.
ゆえに, 任意の無限部分集合はコンパクトではない.
(2)
【有界閉集合であること】
[-√2,+√2] に属する任意の点は原点から 2 未満の距離であるから, L = Q∩[-√2,+√2] は有界である.
[-√2,+√2] に属する有理数の開近傍は (-∞,-√2] または [+√2,+∞) に属する有理数の開近傍と共通部分を持たないようにできるから, L の境界は Φ (空集合) であり, L は自身の境界を含むから閉集合である.
【コンパクトではないこと】
-1 を初項として, 小数点以下1桁ずつ -√2 に近似して -√2 に収束する有理数の単調減少数列 {a_n} を取ることができる.
1 を初項として, 小数点以下1桁ずつ √2 に近似して √2 に収束する有理数の単調増加数列 {b_n} を取ることができる.
このとき, {Q∩(a_n,b_n)|n∈N} は L の開被覆となる.
Q∩(a_1,b_1) ⊂ Q∩(a_2,b_2) ⊂ Q∩(a_3,b_3) ⊂ …
だから, {Q∩(a_n,b_n)|n∈N} の有限個の元で L を被覆することはできない.
ゆえに, L はコンパクトではない.