頭の位置を正面に向けて、上下の歯を揃えて吹くのが基本。
その結果、楽器が水平になる人もいれば、イタリア人のアンドレア・ジェフレディや古くは夜空のトランペットで有名なニニ・ロッソも上向き。
下向きだと、沢山いますしセルゲイ・ナカリャコフやエリック・オービエもそうだし、ドイツのジェイムズ・ラスト楽団の首席奏者も下向き。彼はベルのアッパーモデルをディジーガレスピーとは違う目的で使用しています。
これとは違う意味ですが、マウスピースのベンドしたものを使うことで上唇の圧力を軽減する目的で作られてものがあり、それを使うと角度がある分、下向きに吹いてる人も見た目にはベルが水平に見えます。
楽器店では見かけることがありませんが、netbrassで検索すると中古品ですが購入可能です。
このベルを上げるというのは、顎を出すとか奏法の問題ではなく、楽器を構えた時に頭だけでなく上半身を反らすイメージです。
YouTubeで特にクラシックのオケの動画を見ると、トランペットセクションが大きい音を前面に出そうとするときにしてるのを見ることが出来ます。
いい忘れてましたが、上下の歯を揃えてなくて下顎が引っ込んでる場合は下顎を前に出す必要がありますが、出したから即効果が得られるものではなく、それまでの技量にもよります。
音を出すと唇が疲労するので、上下の歯を揃えて4mm程度あけます。
そこにマウスピースをあてることを繰り返して、無意識に出来るようになるまでします。
音を出すのは慣れてきたころからです。
音が出るようになると、今までとは違いマウスピースの唇への圧力が下唇にも感じられるはずです。
上下の唇の接点が変わったことや、唇の筋肉の動きが微妙に変化することで、音が出るようになったとはいえ音域や息を出した時の向きが微妙に変化してるのでタンギングにも影響をもたらします。
これだけは月日が必要です。信じて練習する以外方法はありません。
私は独学で初めた当初は読書も嫌いで教本も読まないし、学校の音楽授業が嫌いで授業を聞く気すらないので知識もなく当然音符も無知で無理して音を出したために、尺八のように下向きに吹いていました。
ある程度練習すれば、これでも高音域が吹けるようになりますが上唇への負担が半端ではなく《下唇は土台ではなく添えてるに過ぎない状態》、高音域を吹けば吹くだけバテル時間が早く訪れます。
この間違いを指摘されて奏法を修正し以前よりも吹けるようになるまでは挫折の繰り返し。
結果が見えないので、好きで初めたトランペットを吹くのが辛く何度も辞めたくなったことでしょう。
基本に立ち返り何度も何度も教本に書かれてることを理解し、練習を繰り返すことで、次第に以前よりも響きが豊かになった、キツイと感じていた音域が楽になったことを実感できるようになります。
もう、40年以上も前の話しです。
それに今年で60歳になりますが、練習は学生時代よりも短いですが、短いなりに効果的な練習をすれば上達するものです。