もう50年以上も前に死んだ人だから、若い人が知らないのはあたりまえ。
年配の人でも若い頃にロック聴かないで歌謡曲オンリーだった人だと知らないかも。
でも音楽通とかクラシック・ロックが好きな人なら良く知ってると思う。
1970年10月に亡くなると、9月に亡くなったジミ・ヘンドリックスとともにロックの2大アイコンになったわけだし。
日本でも1970年代はジャニス・ジョプリンと言えば女性ロック・シンガーの代名詞でした。
パワフルなロックテイストの女性ヴォーカリストはみんな「○○のジャニス」って括られるぐらいジャニス・ジョプリン=女性ロック・シンガーという扱い。
ギタリストのCharが在籍したことで知られるスモーキー・メディスンのヴォーカリストの金子マリは「下北のジャニス」と呼ばれて有名でした。
「時には母のない子のように」というヒット曲で紅白歌合戦にも出演したカルメン・マキがジャニスのアルバムを聴いてショックを受け、カルメン・マキ&OZを結成してロック・シンガーに転向したのは有名な話。
ジャニスをリスペクトしているSuperflyの越智志帆がアメリカでレコーディングした時、バック・バンドはかつてジャニスが在籍したビッグ・ブラザー&ザ・ホールディング・カンパニーでした。
少女漫画で最初にロック・スターを描いたのは水野英子の『ファイヤー』だけど作中に登場する「炎の舌を持った歌手」と言われる女性歌手マージはジャニスがモデル。
と言ったふうに日本においても彼女の存在も影響も大きいですよ。
ただ時間による風化が大きい。
でも何年か前にCMとかでジャニスの曲使われてましたよね。
Miss Diorに"Piece of My Heart”とかブリジストンに"Summertime”とか。
わたしが初めて聴いたのは"Kozmic Blues″だったかな?この人何でこんな歌い方するんだろうって驚いた。そのあとは"Ball and Chain”。洗練されてきた『パール』の曲はちょっと…、"Move Over”とか有名すぎて。でも"Me And Bobby McGee″とアカペラの"Mercedes Benz″は好き。
それから下の方で彼女の容姿について書いてる人いるけど、結構そこは重要なところかも。
ある音楽評論家が書いてるんだけど、ジャニス・ジョプリンの歌は突き詰めれば「ブスの叫び」なんだとか。
ブスだって恋をしたい!ブスだって男から愛されたい!美人の引き立て役の人生はイヤだ!ブスだって自己表現したい!ブスだってみんなから承認されたい!
そういうところが人々の心を打つんだとか。
まあこの「ブス」のところは「女」でもいいし「貧乏人」でもいいし、社会からいわれなく差別され疎外された弱者・少数者ってことなんでしょうけど。
それに彼女男好きはしないかもしれないけど、笑顔は可愛いよ。
グレース・スリックって女性歌手ご存じ?
ジェファーソン・エアプレインの紅一点ヴォーカリストとして最初に成功した白人女性ロックシンガー。
銀行家の娘で、都会育ちで、ジャニスより4歳年上の美魔女。バンドの男達みんなと性交渉を持ち、アシッドクイーンと呼ばれながらもドラッグとの付き合い方も上手で81歳の現在も存命中。
田舎の労働者の娘で、学生時代にはろくに友達もなく、誤って致死量のドラッグ服用して死んじゃったジャニスとは真逆。
でも日本においてグレース・スリックがジャニス・ジョプリンより有名ってことも無いでしょう?
でもこの2人、仲良かったらしい。