まず、「しっかり(と)」と「きちんと」の二つの意味を確認しましょう。
ある辞書にはこのように書いてあります。
しっかり(と)… 基礎や構成が堅固で安定している。堅実で信用できる気持ちを引き締めて確実にする。
きちんと… 整っていて乱れのない。正確な、規則正しい。すきまや過不足がない。
辞書の説明はそれとして、どんな時にこの二つの語を使うか、文を考えてみましょう。
「しっかりと」
①二人はしっかりと手をつないだ。
②このビルはしっかりとしているから多少の地震では倒れない。
③両国の同盟はしっかりと結ばれており、裏切ることはなかった。
これらからみると、「しっかり」のキモは「固い」「強固」というイメージです。
「きちんと」
④彼はいつもだらしない格好をしているが、今日はきちんとスーツを着ている。
⑤使った物はきちんと片付けましたか?
⑥母は毎朝きちんと同じ時間に起きて弁当を作る。
これからみると、「きちんと」のキモは「乱れていない」「丁寧に」「正確に」というイメージです。
また、例えば①の文の「しっかり」を「きちんと」に変えるとどうでしょうか。それぞれどんな場面を想像しますか。
①二人はしっかりと手をつないだ。
⑦二人はきちんと手をつないだ。
①は、例えば船が沈没する時に、逃げる二人がお互いに「固く」「強く」手を結ぶイメージです。一方⑦は、例えば幼稚園で先生が園児に「隣の子と手をつなぎなさい」と指示があって、男女だと恥ずかしがる子が多い中、その二人は先生の指示を「乱れなく」「正確に」従って、手をつないだイメージです。
次に、この二つの単語(どちらも副詞です)が飾っている相手は何でしょうか。候補は2つです。
(1)礼儀
(2)身につける
A)しっかりとした礼儀…強固な礼儀+を身につける
B)きちんとした礼儀…正確で乱れのない礼儀+を身につける
C)礼儀を+しっかり身につける…強固な姿勢で身につける
D)礼儀を+きちんと身につける…正確に丁寧に身につける
E)(ただ単に)礼儀を身につける
質問者様の課題はどれでしょうか。一番言いたいのはA〜Eのどれですか。