もちろんそうです。万延小判自体は67万両くらいしか発行されませんでしたから812万両も作られた天保小判よりずっと少な目ですが、2分金や2朱金という定位金貨も同じように発行され、こっちの流通量が増えた。金銀貨の流通量は安政から万延にかけ約2倍になってます。
通貨の改鋳というと強制的に質の悪い貨幣を使わされるというイメージですが、ちゃんと金含有量に応じて交換するんです(もちろん多少の発行元のピンハネはある)。例えば天保小判を持ってる人は万延小判3両1分2朱と引き換えてもらえた。小判1枚は天保でも万延でも1両通用ですからいきなり3.375倍の金持ちになれたんです。(慶長小判に至っては5.48倍で引き換えてもらえた)。
だから小判の改鋳はむしろ(金持ちには)歓迎された。一方、貨幣量が増えれば物価は高騰します。小判を持ってない貧乏人は苦労したでしょう。
福沢諭吉の1万円札が3枚の渋沢栄一に引き換えてもらえるようなものです。
そうならないかな?