海近くは塩害があって鉄製品が良く錆びます。満潮時と台風が重なった時の高波や地震の津波など自然災害も遥かに大きいです。
少し高台に住めば良いと思うかも知れませんが日本にありがちな前が海、後ろが山という場所で歳を取って膝や腰の故障が起きたときに坂は厳しく動き回れなくなります。近所の人の力を借りないと生きていけない場合もあります。よそ者には無理かも知れません。
風が強く洗濯物を干すにも気を使い、嵐の後片付けも大変、子供の水難事故も起き得ます。古くからの小さな漁港の近くには神社が沢山ありますが、それだけ海難が多く人手不足からよそ者(一緒に持ち込まれた神様)が多かったことを意味します。
知らなければ憧れもするでしょうが通勤に限らず働いて疲れた人が暗い道を歩いて帰り夜だけ過ごす安全な家の場所としては不向きです。別荘なら良いとこ取りが出来ます。毎日の買い物や煩わしい近所付き合いはなく、週末の釣り、ボート、海水浴、人気ありましたよね、景気の良い頃は…。
本当に海が好きで住める人は海の近くで育ち時に猛威をふるう自然、寒い冬の海を受け入れられ日の出から日没までそこにいて海の大きさ美しさ、自然を感じ遊びたい少数派(多くは男性)と思います。でも引退するまでは都会から戻って夜だけそこに住みたいとは思わないかも知れません。人口減少時代にあっては生活の不便さも増しています。終の棲み家に適する場所は限られると思います。
また地球は過去200年が歴史的に最も気候が穏やかで地震も少ない希な期間でその間に人類は爆発的に増え都市ができ、観光地も作られたそうです。これからの数百年~数千年は荒れるとする説もあり、そうすると海沿いは更に厳しくなるかも知れませんね。
アメリカンドリームというのはガレージから会社を始めて成功し、会社を売って大金持ちになって引退、自適悠々に暮らすことと理解している人が多いと思いますが、実はその引退後の暮らしには観光地の近くに住んで子供や孫が遊びに来てくれるという期待が含まれていました。フロリダなどの海の近くも人気でしたが元々が買い物に行くにも散髪に行くにも(場所によっては隣の家に行くにも)車が当たり前の車社会で住宅地は海から少し離れてます。海沿いとは言えません。
海沿いの住宅地が人気? テレビや映画(地中海の島)の世界か不動産屋の企みのようにも聞こえます。憧れる場所ではあっても本当に住めるは伊豆・熱海の観光地近くだけじゃないのでしょうか。でもほとんどは海沿いではない。
ネガティブなことばかり言って申し訳ありませんがそれでも人気があるとすれば、それは『海』の魔力ではないでしょうか。