結論から言うと紙を切るハサミで布を切っても大丈夫です。
また、刃が悪くなることはありません。(げんみつに言えば裁ち鋏で布を切るよりも長持ちします)
ただし、裁ち鋏で切るのに比べて薄い生地だと咬み込んだり、普通の生地でも生地が滑って逃げたりして上手く切れません。
布は繊維を織って作ってあり、また持っていただくと立たずに折れ曲がるほど柔らかいので少しでも切れ味が悪いと繊維が繋がったままになったり、繊維をハサミが咬み込んでしまうので、そうならないように裁ち鋏の刃は薄くできています。また刃の作りも紙を切るハサミとは違い刃の裏を窪ませたり、ひねりを付けたりしてあり、刃の先端同士が擦れ合って布を切ります。
これに対して紙はパルプでできており、パルプは木の繊維ですので布の繊維よりも硬いので、紙を切るハサミの刃は厚くできています。また、紙は繊維を絡ませただけなので多少切れ味が悪くても繊維が外れ紙が切れるのです。
つまり、裁ち鋏の刃は柔らかい繊維の布を切る専用の刃なので硬い木の繊維を切ると刃が欠けたり、潰れたりして駄目になりますが、木の繊維でも切れるように作ってある紙を切るハサミの刃は柔らかい布を切っても大丈夫なのです。しかし、布を切るということは摩擦の繰り返しなので紙を切るハサミでも永久的にはもちません。いずれ摩耗して切れなくなります。