シンプルに回答すれば、全員が一等航空整備士という訳ではありません。
ライン整備だけでなくドックでの重整備でも同様です。
作業は色々な整備士が行いますので、全員がその機種の一等航空整備士の場合もあれば、その機種以外の一等航空整備士を交える事もあれば、その機種の一等航空整備士+新人だったりすることもあり、様々です。
一等航空整備士がなぜ必要かと言えば、整備をした飛行機を飛ばせるかどうかの法確認をするためです。
たとえ作業を色々な整備士がやったとしても、最終的にその耐空性を確認してサインをするのが一等航空整備士の仕事です。
ですが実は、航空会社(航空運送事業:客席数が三十又は最大離陸重量が一万五千キログラムを超える飛行機及び回転翼航空機)においては一等航空整備士の資格ではこの法確認はできません。
すなわち航空会社の飛行機は一等航空整備士の資格では飛ばせないのです。
じゃあ誰が確認するの?というと、認定事業場においての『確認主任者』の資格でサインします。
(他の回答者さんが確認整備士とか主任クラスとか答えていますが、確認主任者が航空法施行規則での正式な資格呼称です)
昔は一等航空整備士の資格だけで飛ばせたのですが、500人以上も乗れるような大型機を「個人資格で飛ばす」という点に問題があり、現在は認定事業場という組織全体で確認するように変更され、最終的にログサインするのが認定事業場の『確認主任者』という資格です。
実際には『確認主任者』の資格要件としてその機種の一等航空整備士資格が必要ですから、両方なければダメです。
ですから国家資格として一等航空整備士に合格してライセンス交付されてもそれで直ぐに法確認してログサインとはいきません。
そのあと更に確認主任者の試験等にパスして認定事業場としての確認主任者資格を得ないとダメなのです。
くどいようですが、一等航空整備士の資格「だけ」ではエアラインの飛行機は法確認できませんので飛行機を飛ばせません。
くどくなりましたが、結論としては・・・
ライン整備を行っている整備士が全員一等航空整備士という訳ではない。
でも最終確認するために確認主任者の資格をもった一等航空整備士が居る。
もちろん飛行間点検の設定のない機種で、かつ不具合の無い便間整備であれば、法確認の必要も無いので確認主任者も居ないことはあります。