情事の終り じょうじのおわり グレアム・グリーンによる小説について感想・レビューをお願いします。

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小説 | 文学、古典26閲覧

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2021/11/29 20:40

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2021/11/29 20:03

「情事」という言葉からは、私は2つの印象を受けます。 それが束の間のものであること、そして、なにかしらの禁忌(タブー)を犯しているものであること。 公明正大な男女関係というのはあまりないような気はしますが、ともかく、後ろ暗いものがなければ、2人の関係は「恋愛」であって、「情事」にはならないような気がするんです。 なにかしらの障害があって、そして誰かの目を盗んで、短い間に密会する2人にこそ、「情事」という言葉はふさわしいのではないでしょうか。 『情事の終り』は、作家である〈私〉と人妻サラァとの不倫の関係を描いた小説です。 サラァの夫ヘンリの目を盗んで、2人は愛し合います。 激しい愛に溺れていく〈私〉とサラァですが、突然、サラァは〈私〉から離れていってしまい。 何故、サラァは急に〈私〉から離れていってしまったのか? その理由については、この物語の重要な核なので、ここでは書きませんけれど、ミステリではないので、それはあまり重要ではありません。 むしろ、その理由に付随する状況の方が重要で、漠然とした言い方をすれば、サラァは「信じたいのに信じることができない」と「信じられないけれど信じざるをえない」という、両極端の考えの間で板ばさみになってしまいます。 そうしたサラァの個人的なジレンマが、やがては壮大なテーマに結びついていくという物語です。 この小説を最後まで読むと、実はこれは単に不倫の恋を描いた物語ではないことが分かります。 おそらく多くの方が、深い感銘を受ける小説なのではないかと思います。 一口に愛と言っても、様々な愛の形があります。 恋人を自分のものにしたいという欲求も愛ですし、母親が子供を包み込むのも愛です。誰かを守るのも愛ですし、また、誰かを傷つけてしまう愛もあることでしょう。 『情事の終り』は、単に恋愛の愛を超えた愛の形が描かれた物語です。 あまり先に情報を知ってもらいたくないので、漠然とした言い方をせざるをえないんですけれど。 感覚として、私は理解できないものがあったりもしたんですが、起こる出来事なり、それぞれの登場人物の考えなりが丁寧に描かれていて、とても深い印象が残る小説でした。