どちらも同じものを指していますが、大きな違いは2つ。 1つは呼び名。 「ホットケーキ」は日本独特の言葉で、世界共通の一般的な呼び名が「パンケーキ」。 2つ目は区分。 「ホットケーキ」は「パンケーキ」の一種だという事。 パンケーキとは、英語で“Pan cake”と書きます。 「パン」はフライパンなど、底の平らな取っ手のついた鍋のことを指すため、パンケーキはフライパンなど鍋全般で焼いたケーキのことをいいます。 その歴史は古く、粉や水、燃料、鍋代わりの石器があれば手軽に作れるとあって、古代エジプト時代にはすでに作られていたそうなのです。人々の健康と幸せを祈り、神へ捧げるものとして、当時は作られていたとも言われています。 材料は、小麦粉、卵、牛乳、ベーキングパウダーがベースで、砂糖を加えてスイーツとして食べることも、塩を加えて甘さを抑え、食事として食べることもありますね。 ホットケーキ（Hot cake）は、明治17年にウィルレム・チャンブル氏が編集した本を、日本の文部省が翻訳し出版された『百科全書』で「薄餅」（パンケーキの訳語）として紹介されたのがはじまりで、それが転じて、昭和6年に「ホットケーキ」と呼ばれるようになります。 つまり、ホットケーキというのは、日本独自の呼び方で、ほかの国では残念ながら通じません。（アメリカでは一部通じるところもあるようですが…） なので、世界的には「パンケーキ」が共通する言葉です。 それでは、パンケーキとホットケーキは何が違うのか……。 最近では、「食事用の甘くないものがパンケーキ、スイーツとして食べる甘いものがホットケーキ」と言われることもありますが、厳密にいえば違うんです。 ひと言でいうと、ホットケーキはパンケーキの一種。先ほども書いたとおり、パンケーキは「パン（底の平らな鍋）で焼いたケーキの総称」なので、大きな意味でいえば、クレープ生地などもパンケーキのひとつなんです。 日本では「ホットケーキミックス」という大人気商品が有名ですが、この中には砂糖が含まれていて、できあがりが甘くなることから、ホットケーキは甘いものと思われがち。しかしアメリカでは、朝食として甘みを抑えたホットケーキを食べることもあり、やはり「甘いパンケーキ＝ホットケーキ」と一概には言えないようですね。