嘘を言え!の「言え」を命令だと解すると、たしかにおかしい感じがしますね。
しかし、この場合の「言え」は今は活用形の種類にはない「已然形」の形を保存している古い言い方なのです。
「言ふ」は「言は/言ひ/言ふ/言ふ/言へ/言へ」と活用し、已然形が「言へ(言え)」なのです。
已然形は「已(すで)に然(しか)り」という意味の形であり、その動詞の動作や状態が確定したことを示す形です。
だから「嘘をつけ」は現代語では「嘘をついた」という事実を確定させた言い方です。
例えば「物をこそ思へ」の「思へ」も已然形であり、「物をこそ思った」という意味を能わしています。
已然形に「ば」をつけると、「~したので」という意味になるのも、已然形には「既に完了した」という意味が含まれているからです。
(回答内前が多かったのでやり直しました)