ID非公開さん
2022/5/19 8:38
2回答
憲法や法律について疎いので教えてください。 現在、憲法改正について話題になっています。 今回は憲法9条改正について質問です。
憲法や法律について疎いので教えてください。 現在、憲法改正について話題になっています。 今回は憲法9条改正について質問です。 今の法律では自衛しかできないので、憲法9条を改正して自衛隊を軍にして 有事に対応しようという内容かと思います(ざっくりですが)。しかし Twitterで平成15年に成立した『武力攻撃事態法』というものがあり、これにより 相手からの攻撃後だけではなく、攻撃が予測された場合でも武力を行使できる と言った内容を目にしました。つまり、憲法9条を改正する必要はないのだと。 しかも、憲法9条を改正すると、国連の『敵国条項』により日本が攻撃 される可能性もあるとのこと(日本のみ敵国条項が撤廃されていません)。 もしこの内容が正しいとすれば、なぜ憲法9条改正論が起きているのか、 9条を改正して大丈夫なのか?(敵国条項が適用されないという確かな 見込みがあるのか)など、大変疑問に思いました。
ベストアンサー
>今の法律では自衛しかできないので、憲法9条を改正して自衛隊を軍にして >有事に対応しようという内容かと思います(ざっくりですが)。 改憲派の多くがそういったことを言いますが、「自衛しかできない」のはその通りですけど、「有事に対応しよう」というのはデマ、もしくはロジックを無視した妄想です。 自衛ではない「有事」って何? なんでもかんでも日本の有事にするな、という話です。 憲法9条は日本が他国に侵略することを防ぐための条文であり、逆に日本が武力攻撃を受けるなら、それに対して適切な防衛力を整備することを政府に求めている条文であり、憲法9条が日本が日本を実力で守る上で何の支障にもならないことは、司法がとっくの昔に決着をつけている話です。 砂川訴訟の最高裁判決で、日本国憲法の平和主義の下でも、日本が武力攻撃を受けた時に「必要な自衛のための措置をとりうる」こと、そしてその手段として「国際情勢の実情に即応して適当と認められるものを選ぶこと」を認めていると判示しているので、日本が日本を実力で守る上で憲法9条は何の支障にもならないし、他国に対して法的に不利になるということもあり得ません。むしろ憲法9条は適切な防衛力の整備と侵略への対処を政府に求めている条文であり、専守防衛目的の自衛隊も合憲と導けます。 憲法9条をなくしたところで、日本ができるようになるのは他国への侵略と他国の戦争への加担だけ、日本の国防に関して日本ができることは何も変わりません。 >Twitterで平成15年に成立した『武力攻撃事態法』というものがあり、これにより >相手からの攻撃後だけではなく、攻撃が予測された場合でも武力を行使できる >と言った内容を目にしました。つまり、憲法9条を改正する必要はないのだと。 その法律がなくても、もともとそういう仕組みです。 国際法で自衛権が行使できるのは武力攻撃が発生した場合であり、それは物理的な攻撃を意味せず、それが明らかに予測される場合も発生に含まれます。 そして、この枠組みに入らない、単に緊張の高まり程度の段階で先に武力攻撃を仕掛けるのは、現憲法で禁止されているだけでなく、国際法でも禁止されています。 ですから日本が改憲しても、国際法を守るつもりなら、日本が日本を守る上でできることは、何も変わらないのです。 >しかも、憲法9条を改正すると、国連の『敵国条項』により日本が攻撃 >される可能性もあるとのこと(日本のみ敵国条項が撤廃されていません)。 それはちょっと言い過ぎですね。 そこまでやってしまっては内政干渉になりますから。 改憲だけでは敵国条項には触れません。 >もしこの内容が正しいとすれば、なぜ憲法9条改正論が起きているのか、 >9条を改正して大丈夫なのか? 残念ながら、今の日本の改憲派の多くが、自分たちが何をしようとしているのかがわかっていないのです。 彼らは、現憲法9条を改正してしまえば、自分たちの思い通りの世界がやって来る、それで中国や北朝鮮などがおとなしくなる、と夢想しているのです。 つまり「憲法バリア」で国を守ろうとしているのが、今の日本の改憲派、ということです。 でも、現実にはそんなことが起きるはずがない。 それをわかっているリアリストの国民が、護憲を訴えているのです。 ***** 結局改憲派は、積極的にか騙されているのか知りませんが、自民党を選挙で勝たせるための政治活動をやっているだけ。 今の宙ぶらりんの状態を続ければ、内政や外交で何の成果をあげなくても、改憲派を自認する人々が自民党に投票してくれるので選挙では大負けしない、自民党にとってこんな楽なことはない。 つまり、今の自民党にとって改憲は自分たちが政治権力を握り続けるためのネタなのであり、自民党はこの状態をできるだけ長く続けたいのです。 改憲したい人が、改憲をしたくない政党を選挙で勝たせるために、「改憲、改憲」と連呼して一生懸命政治活動を行っている、それが今の日本の「改憲」の実態です。 改憲派を自認する皆さんが、この構図を認識しない限り、日本の改憲は一歩も前に進まないでしょう。
質問者からのお礼コメント
武力攻撃事態法についても触れて下さったのでベストアンサーにさせて頂きました。 お二方の回答を読んで、やはり憲法や法律は難しいと思いました。 このような難しい問題を詳しく学ばないで、 憲法改正について国民投票をしても良いのかと疑問に思いました。 お二人とも丁寧なご回答ありがとうざいました。
お礼日時:5/24 19:58