2008年にキアヌ・リーヴス主演でリメイクされているが、原題は大文字のみの表記か否かの違いこそあれ新旧同じ。一方、日本語作品名は『地球の静止する日』と『地球が静止する日』で「の」と「が」の違いがあります。
話の流れは同じですが、宇宙人が地球人とコンタクトする方法や警告する方法はこちら旧作品の方が紳士的。何しろ世界中を30分間停電させておきながら、病院と飛行機は対象外にするという離れ業をやってのけます。このあたりは、しびれを切らして人類を片付け始めるキアヌ・リーヴスよりも忍耐力がありそうです。
ところで、この映画が作成された1951年と言えばまだ日本も国連に加盟させてもらえなかった戦後復興期。たとえ宇宙人との対話のために国連加盟国を集めたとしても日、独、スイス、アフリカ各植民地、その他もろもろ結構脱落しちゃいますね。
時速6500キロで空を飛ぶ4億キロ彼方からやってきた平均寿命130歳の宇宙人、というのは当時は想像を超える存在だったのでしょうが、現在はISSがその4倍の速度で地球を周回し、4億キロというのもよく考えれば木星より近いわけで、「近所から来た」という発言もまんざら嘘ではなくなりました。なので宇宙人の平均寿命もリメイク版ではだいぶ延びていた気がします。
最後に集団的自衛権の必要性を演説して宇宙に帰っていくところは、日本の野党にもぜひ聞かせたいところですね。内容が面白いのでお薦めです。