ある日、隕石が東側の上空のA点を通過して西側の上空のB点へ消えて行ったとします。隕石は音速の10倍位の速度で通過します。隕石が空気中を移動すると、爆雷のようなものすごい音がします。隕石の轟音を聞いた人をC点として、A点とB点の間には、C点に一番近いk点が存在します。隕石がA点で出した轟音がC点で聞こえたときには、隕石はすでにB点を通過しています。隕石がk点で出した轟音は、A点で出した轟音よりも先に聞こえます。つまり、C点で隕石の轟音を聞いた人には、k点からA点に向かうように聞こえる轟音と、k点からB点に向かうように聞こえる轟音の両方が聞こえるので、隕石が二つに裂けたように錯覚します。 吉永小百合さんが、スチュワーデスになって出演していた時の飛行機は、音速を超えています。お客さんを乗せて千歳空港のスポットを定時に出ると、滑走路の端まで走っていってクリッと向きを変え、一旦停止するところまでは普段と同じ。そこからエンジンを最大離陸出力にしてブレーキを離すと、脱兎の如く駆け出します。タイヤが地面を離れるとすぐに脚をしまって、計器飛行をキャンセルすると、最大離陸角度で一気に１万メートルまで駆け上がり、有視界飛行で羽田を目指して、最短コースをマッハ0.96で高速巡航。対地速度は音速を超え、翼端も音速を超えてショックウエーブが立っているのが、客席の窓からも見えたそうです。羽田の近くまで来て着陸許可が出ると、自慢のファウラーフラップを使って一気に木更津まで駆け降り、東京湾を越えて着陸すると、羽田のスポットに滑り込む。札幌―東京間４５分。実質飛んでいる時間は30分程度です。したがって、音速を超える飛行機の中は、加速度による力が加わらない限り、慣性の法則によって駐機している時と何も変わらないのです。SSTも同じです。