ベストアンサー
「緊張」を英語でtensionと言います。 音楽は展開するものです。 展開というものは基本的に不安定⇔安定の反復を原動力とします。 ありとあらゆるさまざまな種類の「不安定」の中で、ある特有の不安定を実現するために用いられるひとつの手段が「テンション」です。 コードはコードトーン/ノンコードトーンをひっくるめて、三度堆積の構造の中に置かれます。 1度(=ルート)、3度、5度、7度がコードトーン。 で、9度、11度、13度がノンコードトーン。 (ただし6thコードの場合は、13度が6度のコードトーンとして振る舞い、7度、9度、11度がノンコードトーンとして振る舞います) ノンコードトーンがコードトーンとの関係によってさらに細かく分類されたのがテンションまたはアボイドです。 コードトーンからさらにノンコードトーンの領域へ積み増した感覚が、ノンコードトーンが生み出す各種の不安定さにつながっています。 テンションとアボイドはそれぞれ異なる不安定さを与えるために区別されてます。 https://musicplanz.org/music-theory-1/summary-of-basic-chord-progression ノンコードトーンのうち、テンションはコードトーンと響き合いやすい(=澄んだ響きになりやすい)ので、あるコードが占める時間帯全域に渡っても使いやすい音です。 そのような形で、コードに伴ったテンションが、コードトーンに並ぶ構成音として振る舞っている場合に、我々はそれをテンションコードと呼んでいます。ですから、「テンションコード」という形で用いる場合には、必ずしもそのコードが占める時間帯での解決を前提としないということになります。 もちろん、テンションがコードトーンに向かってアプローチして解決する場合もあります。 それは逆に言えば、「テンションコードを成立させるためのテンションの用法ではない」ことを意味します。つまり、普通のコードで一時的に使われただけのテンションは、コードの構成音に含めて考えるわけじゃないということですね。 一方で、アボイドは響き合いにくい(=濁った響きになりやすい)ので、コードトーンと同じようには振る舞うことができません。ですから、「アボイドコード」とでも呼べるような種類のコードは成立しにくいのです。 しにくい、というよりは、なるべく避けたい、という感覚ですね。だからavoidなのですが。 ですから、基本的には、テンションコード以外でのテンションの用法のように、アボイドの用法はコードトーンに向かってアプローチして解決することに限られることになります。 例外として、後続のコードに向かうアプローチになってる場合、また、後続のコードの先取音になってる場合は、今現在のコードにとってのアボイドを使うことがあります。あくまで見かけ上に過ぎないんですけどね。 あと、テンションコードは、コードトーンとぶつからなくてもテンションコードです。ぶつかってもテンションコード。ようするにぶつかるかぶつからないかは直接的には関係ないということですね。 9度、11度、13度が内声となるように配置すればコードトーンに挟まれる格好になりますから、ノンコードトーンはコードトーンにぶつかりやすいってのは紛れもない事実です。 だからノンコードトーンはコードトーンとは区別されてるわけですが、そのこと自体はテンションのみならずアボイドにも言えることですからね。
ID非公開さん
質問者2022/5/27 4:31