アメリカのバイデン大統領が、ロシア国債がデフォルトだと、自分に向かって叫ぶことが出来ます。 ただ、国際金融市場の裁定基準の規定に従って、ロシア国債については金融制裁下なので、デフォルトか、どうかの判定の実施はその金融制裁が解除されるまで行わないと決定していますから、仲裁裁定（アービトレーション）規定からすればデフォルト宣言は無効で、無意味です。 それで、欧州諸国はテクニカル・デフォルトという造語を作り、アメリカのバイデン大統領とイエレン財務長官に配慮しています。 現実的なお金の話では、ロシア政府からのドル通貨での支払いの受領はアメリカ政府により禁止されていますから、支払いを受ける金融機関はアメリカ政府の制裁を受けても良い会社を作り、そこに債権を譲渡し、譲渡を受けた会社が国際為替市場のレートでドル通貨相当分をルーブルで受領し、それをユーロに換え、さらにドルに換える操作により、実質上は支払われています。単に、直接のドル通貨での支払いが無いと言う、契約上のテクニカルな話です。それでテクニカル・デフォルトなのです。