虫について
虫について 生物の勉強で走性を学ぶことがありました。多くの虫(ガやハエなど)は走光性を持っていると思います。 その走光性と「飛んで火に入る夏の虫」という諺とをあわせて考えたときに昔(江戸時代以前?)は夜の灯りはそのほとんどが火をもとにしているため虫にとって走光性は不利でしかないと思いました。その諺の如く光にたかれば自身が焼け死んでしまうことがあるからです。 その走光性がここ100年くらいの進化の果てに備わった習性なら現代で光に集まって虫が死ぬことはほとんどないので納得できるのですが、光=火の時代から虫が走光性をもっているのが不思議に思ってしまいました。 ガやハエなどがあまりメリットを感じられない昔から走光性をもっているのはなぜなのか、教えていただきたいです。
ベストアンサー
昆虫の走光性は人類の出現よりはるか以前に獲得された習性で、「光=火の時代」というのは昆虫の進化史にとってはごく最近の出来事に過ぎません。 昆虫の走光性の適応的意義については昔からいろいろ議論されてきていますが、まだ決定的な結論は得られていません。 この総説↓に詳しいのでご参考に。 昆虫が光に集まる多様なメカニズム https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010872664.pdf p99の「昆虫走光性のメカニズムと適応的意義」の項にこれまで提唱されているおもな仮説(コンパス理論、マッハバンド理論、オープンスペース理論)が紹介されています。 そのうちのコンパス理論についてだけ簡単に説明します。昆虫が移動するとき天体(太陽や月)を定位の手がかりにすることが知られています。天体は短時間の間では動かないので、天体の見える方向に対して一定角度を保つように移動すると一定方向に一直線に移動ができます。ところが人工光源を天体と誤認した場合、光源の見える方向に対して一定角度を保つように移動すると人工光源は天体と違って近距離にありますから、等角螺旋を描いて光源に接近していくことになり、結果的に光に向かってくることになるという考え方です。
リンク付きで回答ありがとうございます。 拝見させていただきました。 確かに言われてみればそうですね。 天体を光と認識していた(いる)っていうのがなるほどとなりました。月明かりだとしてもなにもなかった時代では大きな光源ですものね。とても面白いです。 でもオープンスペース理論がなりたつと昼間に虫がみんな太陽に向かって飛び夜間に月に向かって飛ぶことになる気がしますね
質問者からのお礼コメント
大変面白い、納得できる回答をありがとうございました。 自分の考えが安直すぎたのだということがよくわかりました。 他の皆様も回答ありがとうございました。
お礼日時:7/7 20:18