以前にも質問しましたが、納得のいく回答を得られなかったので、もう一度質問をします。以下の小説の冒頭部分を読んで下さい。純文学の冒頭部分です。・・・子熊が、川べりにとんと尻を付いた。近くの藪の中に大きな母熊がいて、真っ黒な毛皮を背負い武器になる爪を舐めながら、子熊を見守る。子熊に手を出すものがあれば容赦なく、それが何者であれ立ち向かうのだ。ところでそんなふうに守られているこの子熊は、川を遡上してきた鮭を取るのもへたくそだったし、人間の臭いを嗅ぎ分けて避けるのも苦手だった。それである日、石の色が透けて見える浅い流れのなかに一人の人間がいて、器用に鮭を獲っているのに出くわしてしまった。秋の冷た...