機材によって上達するかしないかが分かれる、といったことはまずありません。
ただ、「いろいろなカメラで、いろいろな状況で撮るために必要な知識を身につける」という、基礎の基礎的なところを学ぶのであれば、
・レンズは単焦点、50mmとかの焦点距離で、できるだけ明るいものを使う
・本体はフルマニュアルで、絞りもシャッタースピードも全部自分で設定する
という機種を使うと良いかと思います。
プログラムオートで撮れるカメラなどは、たしかに楽でピンボケや露出オーバー・アンダーの写真を撮ってしまうという事態を避けられます。
が、その分写真を撮る祭に必要な設定をカメラ任せになってしまいがちで、
「どんな状況でどういう写真を撮るときに、どのような設定をすればよいか」
を考える機会が少なくなりがちです。
Pentax SP、Nikon New FM2、Olympus PEN FなどはシャッタースピードもF値も全部自分で決めなければ行けない上、オートフォーカスもありません。
また、写真の上達のためには、
「シャッターを押す前に、ちょっと立ち止まって考える」
という習慣を心がけると良いかも知れません。
カメラを向けて、何かを撮ろうとした際に、
・何に目を惹かれたのか
・何を撮ろうとしたのか=主題は何か
・どの向きから撮れば、より主題が引き立つか
・背景や前景をぼかしたいのか、クッキリ写したいのか
といったところを考えれば、自ずとシャッタースピード、F値、フォーカスをあわせるポイントも決まってきます。
1枚撮るのに時間はかかってしまいますが、シャッターを押す前にほんの数秒だけ、
「どんな写真を撮りたくてカメラを向けたのか?」
という事を考える、というだけでも、何も考えずカメラ任せで撮るよりもだいぶマシだと思います。