学生の英語力に関して受験生の認識と大学の認識が違うだけですね。「読めるわけない」と最初から決めつけては当然読めません。文法力や基礎語彙力があれば後は辞書を引きまくりで解読するだけです。文法力が不完全とか、基礎語彙・イディオム力が不完全では話になりません。
入試のためには辞書なしでどの程度内容を理解できるかということで、入試問題は必ずしも出題文を完璧に理解することを求めているわけではありません。
私も英語の入試問題作成を経験しましたが、易しい英文を探すのは難しく、文科省や文科省や受験産業が納得するような高校で習うだけの語彙の英文はなかなか見つかりません。よく使われている大学の教科書から探すと、予備校の出題予想に当たってしまうこともあり、国内で出ている文献は避けることとなります。
山貞の参考書(「新々英文解釈研究」など)を見るとわかりますが、ずっと昔は英米小説の一節から選んだものですが、文学作品はもっと難しく、結果的に現代の英米の雑誌・新聞を選ぶことが多くなり、必然的に難しい英文となります。英米の時事英語なら予備校の出題予測にもかかりにくく、文学作品のような癖もないので選びやすいが、ネイティヴが読むものは、大学が一般化して受験生の学力も(山貞が使われ始めた当初の旧制高校受験より)落ちている現在、必然的に難しいのは当たり前ですね。
高校入試の場合は、出題者自身が英語の文章を作りますが、これに習い最近は出題教員が自ら英語長文の文章を作ることもあり、英米人の教員に依頼することもあります。しかし日本人教員はおろか、英会話中心の担当ネイティヴ教授も入試に相応しい英文を書くかというと、あまり期待はできません。また英米人教授を入試作問スタッフに入れるのを明治程度の大学は避けているかもしれませんね。