硬度に関しては、硬度計で測定しているのはガウジング面の硬さなので、完成リードでは先端の硬度と考えられます。
密度に関しては全体を測っているので、素材の密度も測定してはいるものの皮の厚さの影響も大きいです。逆に言うと密度が高い物は皮が厚いとも言えます。
皮の厚さは0.15~0.25mmくらいありますので、ケーンの浅いところを使っているショルダーの硬さへの影響が大きいはずです。
実際、私はガウジング圧を1.17mmにしていて、これだと標準的な 1.25mmよりも低音の出しやすさのばらつきが大きいです。現在は厚めのガウジングを試しているところです。
「音は柔らかい」という表現は主観的なので、人によって受け取り方が違います。発音がはっきりできるということと並べて書かれているので、たぶん私が感じる「柔らかい」とは逆を指しているように思います。
硬い材料を使った場合、低音まで倍音が多い音になることが多いように思います。音色以外には高音が出しやすくなるというメリットがあります。ガウジング厚を薄くすると硬度は上がりますから高音は出しやすいです。私が1.17mmにしていた理由です。私の楽器にはHi-Eキーが無いので。
密度に関しては、私はあまり音に対する影響を把握できていません。以前、ガウジング厚を同じにして密度0.7を境に上と下とでケーンを分けてリードを作ったことがありますが、差が分かりませんでした。結局は上に書いたような皮の厚さによる個体差の方が大きいように思います。