そういうものですよ、特に不思議なことではありません
性犯罪の被害者というのは、特に未成年者の場合は、恐怖心であったり、それが犯罪だと認知できなかったり、あるいはグルーミングされていたりして、誰にも相談しない、或いは相談できないまま、何年も過ごすことが多いものです
また、自分も悪いことをしている、自分も捕まってしまうんじゃないか、という誤った認識を持つ子供もいます
未成年の性犯罪の被害者の場合、大人になってから自分が被害者だったんだということに気付く人が意外に多いのです
今回のような事件では
途中でやめたら協力や応援してくれている親に迷惑をかけてしまう
有名になるためにはこういうことは当たり前なのだ
みんな我慢しているんだから自分も我慢しなければならない
被害者達がこのように考えていたことが、記者会見の内容からも明らかです
ジャニーズに所属している段階で、被害を警察に告発することが困難であろうというのは、普通の人間であれば容易に想像がつくはずです
大人でも、企業や経営者の不正行為に気がついた時、それを即時に告発できる人などほとんどいません
大半の人が不正を認識していることを思い悩みながら働き続けている中で、ほんの一握りの人だけが思い悩んだ末に告発に踏み切ることができる、というのが現実です
証拠があろうがなかろうが、犯罪は現実に存在しているのであって、それを告発することに何の問題もないはずです
しかし日本人の多くは、犯罪者は現行犯でなければ捕まえることができない、証拠がなければ捕まえられないという意識が強過ぎるために、被害を誰かに相談したり告発したりすることに消極的になりやすいのです
この感覚は、まさにあなたが質問で書いている通りです
被害と告発のタイムラグについては、性犯罪だと電車内の痴漢が代表的です
被害者というのは、何回も何回も痴漢に触られて、ようやく警察に相談して被害を訴える人が多いのです
痴漢されたその場で犯人の手を捻り上げて痴漢だ!と言える日本人が大半なのであれば女性専用車両など不要ですが、実際にはそんな現実がないからこそ女性専用車両が存在するわけです
「拒否しなかったので受け入れたのだと思った」「やったと言うなら証拠を出してみろ」
或いは
「逆恨みでやっているのだろう」などという言葉は、まさにレイプや痴漢の加害者が自己弁護に使う言葉そのものですが、今回の事件では多くの女性達がそれを言っていることに驚愕しています
日本が痴漢大国であり続けているのは、多くの日本人女性が性犯罪の加害者と同じ価値観で生きているからではないか、という残念な現実を感じる事件になってしまいました