【現代語訳】 私は生きているので今年の秋も月を見た。（しかし死に）別れた人に再び会える世（夜）はないよ。 【解釈】 〇「いのちあれば」「あり」の已然形＋接続助詞「ば」なので「～あるので」になります。「私は命があるので」→「私はまだ生きているから」 〇「わかれし人」詞書にあるように、一年前に死んだ源為善のこと。一年前に死んだ友人を偲んで詠まれた歌です。 〇「あふよ」「よ」が「世」と「夜」の掛詞。死んだ友人と一緒に月を眺める夜ももはやなく、この世で会えることももうない、と詠うのです。