昔、国語の時間に以下のようなやりとりの出てくる作品を読んだ記憶があります。 背広姿の男が言った。「この雨、やむでしょうかねえ」。老婆が答えた。「降り出した雨のやまなんだことは、これまで一度もござんせん」
昔、国語の時間に以下のようなやりとりの出てくる作品を読んだ記憶があります。 背広姿の男が言った。「この雨、やむでしょうかねえ」。老婆が答えた。「降り出した雨のやまなんだことは、これまで一度もござんせん」 この作品の題名を教えていただけませんでしょうか?
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ベストアンサー
懐かしいですね。 これは,平成5年辺りに「光村図書の国語」(中学3年生)に掲載されていた大林宣彦監督の著書「快晴との出会い」を教科書用に書き改めた「出会い」という題名の随筆です。教科書の最初に出ていました。 しかし,よく老女の言葉を覚えていらっしゃいました。この台詞がなければ,わかりませんでした。 せっかくですので,この部分を抜粋して記載しておきます。 -冒頭部分(本文より)- 一人の老女に出会った。 百歳をとうに越えているように見えた。実際には,そんなお年ではなかったのかもしれない。しかし,まだ中学生だった僕には,そのように思われた。 古い旅館の,だだっ広い一室だった。老女は僕の反対側の隅に正座していた。その向こうには窓が開いていて,外は激しい雨だった。僕は今しがた,その雨の中をずぶぬれになって駆けてきたのだ。 中学生活の最後の思い出にと,その最後の夜,思い立って,山口県の秋吉台に一人でキャンプした。テントを張って寝たその深夜,嵐が襲ってきた。僕はほうほうの体で,その翌朝,山口市内のこの宿にたどり着いたのだ。肌にまつわりつく肌着にてこずりながら,老女の前で裸になっている居心地の悪さから解放されたくて,中学生の僕は精一杯大人ぶってこう話しかけてみた。 「この雨,やみますかねえ。」 すると老女は,表情一つ変えず,ゆっくりとこう答えた。 「我が国で,降り出した雨がやまなんだことは,まだ一度もござんせん……。」 これが僕とその人との出会いだった。そのなんでもない一言が,僕のその後を決定した。僕はこの一つの言葉から,何かしら,人間が自然というものとどのようにして付き合っていけばよいのか,そのいわば知恵とでもいうべきものを教わったのだ。 ご参考になれば,幸いです。
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質問者からのお礼コメント
とても参考になりました。もうすぐ30になるいわゆるアラサーの世代ですが、最近、学生時代に国語の授業で習った作品の文章の断片をよく思い出して検索したりしています。 それにしても主人公は中学生でしたか。自分の記憶の中では背広を着たサラリーマン風の中年男性のような気がしていましたが、そこまでの記憶ははっきり残っていなかったようです。
お礼日時:2010/8/12 20:28