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英語で、Tsunamiという語が初めて使われたのは、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)がに出版した著作集「仏の畠の落ち穂」 (Gleaming in Budda-Fields) の中に収録された『生神様』 (A Living God) の中とされます。濱口梧陵をモデルにした『生神様』では、地震後に沿岸の村を飲み込んだ巨大な波を「Tsunami」と現地語(日本語)で表現しました。これが、出版された文献で確認できるところの初出とされます。その後の事例は、1904年の地震学の学会報告にはじまり、地震、気象の学術論文等に限られていたようです。元々英語圏では"tidal wave" という語が使われてきたが、この語は本来潮汐 (tide) による波を指し、地震による波にこの語を使うのは学問的にふさわしくないとされ、現在では tsunami が用いられます。研究者の間では"seismic sea wave"(「地震性海洋波」)という語が使われることもあったが、あまり一般的ではありませんでした。1946年、アリューシャン地震でハワイに津波の大被害があった際、日系移民が "tsunami" という語を用いたことから、ハワイでこ の語が使われるようになり、被害を受けて設置された太平洋津波警報センターの名称も1949年には Pacific Tsunami Warning Center とされたことから、アメリカ合衆国ではこの語が広く用いられるようになり、その後、1968年にアメリカの海洋学者ヴァン・ドーン (Van Dorn) が学術用語として使うことを提案し、国際語化しました。 日本国外も含め「津波は引き波から来る」という伝承が広く広まっているが、必ず引き波から来るわけではなく誤解です。しかし、引き波に対して津波を警戒することは有効であり、スマトラ沖地震ではその教訓により死者を出さなかった地域があります。 「ツナミ」は学術用語として広く国際語になっていたが、スマトラ沖地震による津波が激甚な被害をもたらしたことが世界中に報道されたことを契機に、一気に各国の言語で一般語になりました。 NHK テレビ・ラジオの非常放送(英語)では始めに「tsunami, tidal wave」と呼称されます。
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質問者からのお礼コメント
とても詳しいご説明でした。 ありがとうございます。
お礼日時:2010/10/10 7:08