農業書を読めば「ブドウ栽培は、洪積土(洪水で山から流れ出た土砂が堆積した扇状地のようなところ)に多く栽培されている……云々」と書いてある。
確かに、ブドウ栽培が盛んな山梨県のように、扇状地に植え付けられているブドウもあるが、山梨県内でも、ブドウが植えられる前は傾斜地の森林でそこを開墾した園や平坦だった田んぼのブドウ園も多い。
全国のブドウ園の多くがそのような場所であり、こうした記述は、現状に合わない表現となっていると、mike=^-^=は考える。
洪積土壌は、ブドウ栽培に適した土壌ではあるが、洪積土壌でなければブドウを作れない訳ではない。
火山灰土壌であっても栽培は可能であり、関東ローム層や黒色火山灰土壌など火山灰土壌のブドウ産地は全国にある。
「ブドウはどんな土に合うか?」
最近のブドウ品種は、従来の‘デラウエア’や‘甲州’など2倍体品種より、‘巨峰’や‘ピオーネ’など4倍体品種が多くなっており、これらの品種では、枝が強く伸びやすく、養分競合による「花振い」が発生しやすい。
このため、火山灰土壌や沖積土壌のように、養分(主にチッ素)が豊富な土壌より、養分が少ない洪積土や森林土壌の方が栽培しやすい。
ところが、最近では「種無しブドウ」を消費者が好むことから、ジベレリン処理による無核化が行われるようになり、ジベ処理によって無核化とともに実止まり促進(花振い予防)し、多少枝が強く伸びても、実が着くようになる。
こうしたことから、最近では、湿地帯のように、いつまでも水が溜まるような場所でない限りは、気象条件さえ好ければどんな土壌でも、栽培上問題はない。
ブドウの味を決める要因としては、単に土壌の問題だけでなく、気象条件(気温の日格差、降雨、日照時間)や摘果、収穫時期など、多くの要素が関係しており、洪積土でなければ美味しいブドウは作れないという訳ではない。
洪積土の園より美味しいブドウを火山灰土壌で栽培している農家も多い。
※サイトの紹介については、
著名大学の大先生が書かれた書物(多くが昭和時代に書かれたものの改訂版)でさえ、そのように書いてあるのだから、
そのようなことが記述されているサイトは、本当に信憑性があるのかどうか?疑わしいものなので、紹介しない。
美味しいブドウを栽培している農家へ足を運び、自らもっと勉強しましょう。