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『井蛙抄』の口語訳をお願いします。

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ID非公開さん

2012/6/2301:52:34

『井蛙抄』の口語訳をお願いします。

文覚上人は、西行を憎まれけり。その故は、遁世の身とならば、一すぢに仏道修行のほか他事あるべからず、数寄を立ててここかしこにうそぶきありく条、憎き法師なり、いづくにて見合いたらば頭を打ちわるべきよし、常のあらましにてありけり。
弟子ども「西行は天下の名人なり。もしさることあらば珍事たるべし」と嘆きけるに、或時、高雄法華会に西行参りて、花の陰など眺めありきける、弟子どもこれかまへて上人に知らせじと思ひて、法華会もはてて坊へ帰りたりけるに、庭に「物申し候はむ」といふ人あり。上人「たそ」と問はれたりければ、「西行と申す者にて候ふ。法華会結縁のために参りて候ふ。今は日暮れ候ふ。一夜この御庵室に候はんとて参りて候ふ」と言いければ、上人内にて手ぐすねを引いて、思ひつる事叶ひたる体にて、明り障子を開けて待ち出でけり。しばしまもりて、「これへ入らせ給え」とて入れて対面して、年頃承り及び候ひて見参に入りたく候ひつるに、御尋ね悦び入り候ふよしなど、ねんごろに物語りして、非時など饗応して、つとめてまた斎などすすめて帰されけり。
弟子たち手を握りつるに、無為に帰しぬる事喜び思ひて、「上人はさしも西行に見合ひたらば、頭打ち割らむなど、御あらまし候ひしに、ことに心閑かに御物語候ひつること、日ごろの仰せにはたがひて候ふ」と申しければ、「いふかいなの法師どもや。あれは文覚に打たれんずる者のつらやうか。文覚をこそ打たんずる者なれ」と申されけると云々。

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2012/6/2308:27:18

『井蛙抄』(文覚と西行)

文覚上人(荒法師として有名だった)は、西行を憎んでおられた。

その理由は、出家遁世の身であれば、一心に仏道修行をするよりほかの事をするべきではない、(それなのに、西行が)風流を好んで、あちこちで歌などを詠んでまわるというのは、憎い法師だ、どこであろうと(西行に)出会ったならば、頭をぶんなぐってやるということを、普段から望みとしていた。

弟子たちは「西行は天下の大歌人だ。もしそのようなこと(師が西行をなぐること)があれば、大変な事になるだろう」と嘆いていたが、
ある時、高雄の法華会に西行が参って、花の陰などを眺めてまわっていた、弟子たちはこのことを決して文覚上人に知らせまいと思って、法華会も終わって坊(僧の居室)へ帰ったところ、
庭に「ごめんくださいませ」という人がいた。上人が「誰だ」とお訊きになると、「西行と申す者でございます。法華会に結縁のために参りました。もう日が暮れてしまいました。一晩この御庵室に泊まらせていただこうと思って参りました」と言ったので、

上人は内心で手ぐすねを引いて、願っていた事がかなったというふうに、明かり障子を開けて待ちうけて出ていった。
(上人は西行の顔を)しばし見つめて、「こちらにお入りください」と言って、入れて対面して、
「この数年来、(あなたのお噂を)うけたまわっておりましてお目にかかりたいと思っておりましたが、(あなたのほうから)お尋ねくださって喜んでおります」といったことなどを、丁寧にお話しして、食事などをふるまって(泊めて)、翌朝また食事などをすすめて(西行を)お帰しになった。

弟子たちは(はらはらして)手に汗を握っていたが、(師が西行を)無事にお帰しになった事を喜んで、
「上人様はあれほど西行に出会ったならば、頭をぶんなぐってやるなどと、お望みでいらっしゃったのに、格別、おだやかに(彼と)お話しなさいましたことは、日ごろおっしゃっていたこととは違っておりましたね」と申したので、

(上人は)「わけのわからない法師どもだな。あれが文覚(私)になぐられるような者の顔つきか。文覚(私)をこそなぐりそうな者だぞ」とおっしゃったということだ。

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質問した人からのコメント

2012/6/24 15:27:58

降参 ありがとうございました

ベストアンサー以外の回答

1〜1件/1件中

a_yasusadaさん

2012/6/2308:38:18

文覚上人は、西行を憎んでおられた。その理由は、「世を捨てた身分となったというなら、ひたすらに仏道修行に励むほかは余計なことはすべきでない。風雅の道を大事にしてあちこちで歌を詠み歩くなど、憎たらしい僧侶である。どこかで出会ったら頭を打ち割ってやろう」と常日頃から予告しておられた。
弟子たちは、「西行は天下に名高い歌詠みである。もしそんなことになったら大変だ」と嘆いていたところ、ある時、(文覚のいる)高雄山神護寺の法華会に西行がやってきて、花の陰などを見て回っていた。弟子たちは何とかして上人には知らせないようにしようと思っていたところ、法華会も終わって(文覚たちが)宿坊へ帰ってきたところ、庭に「申し上げたいことがあります」という人がいる。上人が「誰じゃ」とお尋ねになると、「西行と申す者でございます。法華会にうかがわせていただきたく参上いたしました。今は日も暮れてしまいましたので、今晩はこのお部屋に泊めていただきたくてこちらへ参ったのです」と言うので、上人は中で手ぐすねを引いて、長年の願いがかなったということで、障子を開けて待ちかねた様子で(西行と)出会った。しばらくじっと見つめてから「こちらへお上がりください」と言って対面し、「長い間ご評判を聞いてお目にかかりたく思っていましたところ、わざわざ訪ねてきていただいてうれしく思います」というようなことなど、じっくりと話し合って、夜食などを提供し、明け方には朝食を勧めてお帰しになった。
弟子たちは、どうなることかと手に汗握って様子を見ていたところ、無事西行を帰されたことをうれしく思って「上人は西行と出会ったなら頭を打ち割ってやろうとあれほど言っておられましたのに、昨夜はとりわけ穏やかにお話をなさったことは、普段言っておられることと違っております」と申し上げたところ、「まったくどうしようもない僧侶たちだな。あれが文覚に打たれるような者の面構えか。逆にわしが打ち負かされるような傑物じゃ」とおっしゃったとのことである。

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