基本的には10%のサービス料が日本と同じようにサービスの良し悪しにかかわらず取られますので不要です。にもかかわらず、ホテルの部屋付けにする際にサインする伝票にはGratuityつまりチップの欄があったり、レストランのクレジットカードスリップにはTipsの欄がありますが、これは自国にチップの習慣があり知らずに記入してしますアメリカ人などに期待してのことです。そんな欄は横棒を引いて、合計欄にそのままの金額を記入すればいいのです。(サービス料は従業員の給料には反映されませんが、チップとして記入されたものについては給料にプラスして従業員に支払われます。)まあ、書いてくれれば儲けもの、サービス料は取ってはいるがいただけるものはいただこうという香港人の考え方によります。
しかし、現地の香港人もレストランを利用する場合、現金で支払う場合に小銭のおつりを受け取らずトレイに残す人がいることも事実ですし、カード払いの際は合計金額をキリのいい金額にして実際より多めに書く人がいるのも事実です。要はチップを残す人もいれば、残さない人もいる、つまり残さなくてもなんら問題ありません。どうしても渡さないと気がすまないほど良いサービスを受けたのであれば、HK$20あるいはHK$100なんて渡してもけっしてスタッフには失礼にあたらない、という程度のことです。
ホテルの部屋を掃除してもらう客室係へのチップにしても同じことです。旅行会社のガイドや香港のガイドブックにはどの程度の金額を残せとアドバイスしますが、なくっても全く問題ありません。万一、サービスがあまりにもすばらしくお渡しになるのであれば、そのスタッフ本人に手渡すのがチップの基本です。チップの習慣のあるアメリカ人でも、スタッフの顔を見ない場合は残さないことが多いようです。(例えば、早朝に出発される場合、夜勤スタッフが冷蔵庫のチェックに客が出発後入室しますが、実際に掃除をするのは朝のシフトのスタッフです。部屋に残されたチップを夜勤スタッフが持っていってしまっても誰にもわかりません。)
コンシェルジュやベルボーイに対しても同じ。もう感動もののサービスを受けて、何かお礼がしたいということであれば、へんなお土産を渡すよりは現金でチップとして渡すほうが喜ばれます。その感動度合いによって、HK$20だったりHK$100だったり、千円札をわたしてもかまいません。ベルボーイは超高級ホテルは別として、チップを渡さないと部屋をでないとか聞いたことがありますが、丁重にお礼を言ってドアを閉めるか、あからさまに要求された場合は、サービス料以外に必要かどうかマネージャーに確かめると言って電話をしようとすれば出て行くでしょう。(仕返しを恐れないといけないようなレベルのホテルなら素直に渡しても良いかもしれないですが。)
高級ホテルで、サービスは普通でも、しかし渡したいという場合、最低でもHK$20は渡すべき状況です。それ以下でももらえるものは受け取りますが、スマートさをお求めなら、HK$20、スイートにお泊りでちょっと見栄を、ということならHK$100さりげなく、どこから出したのかわからないようにThank youと言いながら渡せば粋なのかもしれません。ルームサービスを頼んだ際も同じことです。
繰り返しますがサービス料を10%有無を言わさず取られるわけですから、何かしてくれたことに関してはThank youと丁重に感謝の意を伝えることは人として大切なことだとは思いますが、不要なチップを必ず渡さなければならない習慣は実際にはありません。