精神医学についてお聞きします。もっとも、精神医学という言葉が学問的にどのように定義されているのか、そもそも、精神医学という言葉は正当なのか、おそらく大いに注意して使わなければならない言葉でしょう。

精神医学についてお聞きします。もっとも、精神医学という言葉が学問的にどのように定義されているのか、そもそも、精神医学という言葉は正当なのか、おそらく大いに注意して使わなければならない言葉でしょう。 (質問している本人がこの言葉をよく理解していません。) ①日本においてはいつごろから、医学界の一つの領域として登場したのでしょうか? ②それは、名前を挙げるとするすなら誰からでしょうか? ③日本で始めてフロイドの学説をを紹介した人はだれでしょうか?

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1)Psychiatrieの訳語として「精神医学」という用語が使われるようになったのは戦後のことで,普及したのは1950年代以降。それ以前,Psychiatrieは「精神病学」と訳されていました。なお,大正期に精神分析の文献を日本に紹介した「精神医学会」なる団体が存在しましたが,当時の精神病学や現代の精神医学とは立脚点を異にするものだったようです。 日本における精神病学の始まりは,帝国大学医科大学(現・東京大学医学部)に精神病学講座が開設された1886年(明治19年)とするのが妥当でしょう。 2)日本における精神病学の最初のひとりを挙げるとするなら,帝国大学医科大学精神病学講座の初代教授,榊俶(さかきはじめ)ということになります。ただ榊は働き盛りに世を去っており,現在に至る日本の精神医療の礎は,榊の後継となった呉秀三(くれしゅうぞう)に帰するところが大きいと言われています。 以下は日本における精神病学黎明期の歴史の要約。 1875年(明治8年),Wilhelm Doenitz が浅草の警視庁第五病院で行なった断訟医学(裁判医学)の講義の中で西洋近代の精神病学が日本で初めて紹介されました。精神柔弱と精神病を包括する Geistesstoerungen の概念が示され「精神障礙(=碍)」の訳が当てられたと伝えられています。詳細については,後年,湯村卓爾らが聞き書きをまとめた『断訟医学 独逸国テーニッツ講義』(1879年)を繙いてみてください。 1876年(明治9年)には神戸文哉の『精神病約説』が出ますが,これは英国のHenry Maudsley著“Insanity”の翻訳です。 1879年(明治12年)には東京医学校(東京大学医学部の前身)において Erwin von Baelz が,内科学の一部として精神病学の講義を始めました。受講生のノートなどから,その内容は『精神病の病理と治療』の邦題で知られるWilhelm Griesinger 著“Die Pathologie und Therapie der psychischen Krankheiten”(1845年)に準拠したものであったと推定されています。19世紀中葉のドイツ語圏における代表的教科書であったこの著作は“Geisteskrankheiten sind Gehirnkrankheiten”(精神病は脳病である)というテーゼで知られています。 1886年(明治19年)にはドイツ帰りの榊俶が帝国大学医科大学の精神病学講座初代教授となり,日本人による精神病学の研究・教育が始まります。1897年(明治30年)に榊が死去して後は,法医学の教授,片山国嘉が精神病学を兼任しましたが,1901年(明治34年),Emil Kraepelinに学んだ呉秀三が教授に就任して,日本の精神病学がいよいよ本格的に立ち上がることになります。 3)最初のひとりを特定するのは困難ですが,活字になったものとしては1903年(明治36年)に『哲学雑誌』に掲載された佐々木政直の論文「ステーリング氏の心理学に関する精神病理学」が最初とされています。 なお,精神分析のことを,心理学で培われた「技術」と書いている回答がありますが,これは誤解でしょう。精神分析は心理学の外部,精神医学の文脈で誕生し発展したものです。 S. Freud以後の発展において非医師分析家の貢献が大きかったにも関わらず,今も精神分析家の大半が医師であること,また被分析者のことを「患者」と呼ぶ医学モデルの人間観に立っていることにもそれが表れています。また,技術的側面以上に精神病理学理論としての側面が重要であり,それがなければ力動精神医学なんてものは成り立ち得なかったでしょう。

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答えている本人もあいまいなのですが、概略だけ記すと… 「精神医学」と「心理学」は別のもの。 精神医学=医学分野。基本的には医師免許をもって取り組む分野。生理学的な理解や、投薬、手術を伴う治療を目指す。精神に司られた人間の行動を、健康な形に戻す。 心理学=当初はヒトの心理を科学的に分析(ブント)。その後フロイトによる精神分析の技術が発達する。本来は「治療」は目的ではなかったが、治療を目指す系統を「臨床心理学」と呼ぶ。カウンセラー(医師ではない)が、投薬、手術を行わずに治療を目指す。生理学的理解ではなく、言語や社会、コミュニケーションの領域へのアプローチ。学門としては文系(文学部心理学科)。 精神分析=心理学で培われた「技術」。例えば精神医学の治療課程で、精神分析を利用する場合がある。 他 神経医学、神経生理学=脳神経の器質的、生理学的な研究。これも医師の仕事。要するに、脳や神経の「機能上の問題」に対処する。 脳科学=脳に関する研究のうち、医師免許を持たない、あるいは神経医学や神経生理学が専門ではない、教育学、運動生理学、心理学などの分野の研究者の「自称」。本来、このような学門は存在しない。脳に関する医学的、科学的研究は専ら神経医学、神経生理学に伝統がある。