自己愛性パーソナリテリィ障害と診断されほぼ回復したものです。
質問者様の洞察は全て正解です。
以下補足になります。
パーソナリテリィ障害の10のタイプは共通特徴がほとんどで、最後の行動の一手だけ異なっているだけです。回避傾向のある自己愛性パーソナリテリィ障害の方も多いです。また、境界性パーソナリテリィ障害と併発する人もいます。(僕がそうでした)
以下はパーソナリテリィ障害10タイプ全てに共通する特徴です。
「白か黒の極端な考え方を持つ」
「対人評価が理想化、脱価値化(こきおろし)と極端である」
「他人と自分との境界が曖昧である」
「思い通りにならない時の極端な感情、処理をする」
「罪悪感、償い、反省の気持ち欠如している」
「相手への思いやり、共感性、興味の欠如している」
「自己肯定感が極端に低い」
「自己愛が極端に強い」
「自己像が不安定である」
何故共通特徴が多いのでしょうか。それは全てのパーソナリテリィ障害の原因が一緒だからです。
パーソナリテリィ障害の原因それは一言でいうと「自我の形成不全」です。 言い換えれば「幼い心の状態」に陥ってます。もう少し細かく言えば、幼児期の前半に特徴的にみられる状態に固着したり、退行を起こしています。そして、成長過程においてその状態をさらに強化する仕組みを作ってしまっているのです。
ざっくり書きます。詳しくはメラニークラインの対象関係論を検索してしらべると良いでしょう。
まず分離期0−3歳において、「部分対象関係」から「全体対象関係」への認知の成長が出来ず「妄想・分裂ポジション」から「抑うつポジション」への心的態度の移行の経験がなされなかった為、母子関係から獲得される以下の自我の獲得がされなかったのです。
抑うつポジションというのは、いわば後悔と反省でへこんでいる心の状況です。これを経験しないと人は成長できないのです。赤ちゃんは初期の泣いてばかりの自分をある時期反省して後悔し、成長するのです。
<抑うつポジションにより分離期の母子関係から獲得するもの>
・お母さんと自分は違うという認識(自己と他者の明確化)
・お赤さんには良い部分と悪い部分がある(人には良い面と悪い面がある全体関係の認識)
・お母さんを傷つけたかもしれない(罪悪感、反省の芽生え)
・お母さんを癒してあげたい(共感性、償いの芽生え)
・お母さんを本当に癒せてあげれるか不安だ(無力感の実感)
・お母さんを癒す為誰かに頼よろう(他者への信頼、依存の芽生え)
・お母さんをこれ以上傷つけたくない(気配りの芽生え、対象愛の芽生え)
・お母さんはわがままだった僕を受け入れてくれた(感謝の芽生え)
・お母さんを癒せる事が少し出来たし、悲しい思いもしたけど成長できた(自己肯定感の芽生え、健全な自己愛の芽生え)
そして、「妄想:分裂ポジション」に心的態度が留まっている為、トラウマ、嫌な事、怒られる事、悲しみといった負の事実が発生すると「原始防衛機制」(分裂、否認、原始的理想化、同一性投射、脱価値化)という、言わば幼稚な心を守る機能を使ってしまいます。
すると、良い悪い、善悪の二極性、さらには自分自身を理想化と脱価値化に分裂するなど、パーソナリテリィ障害特有の症状を生み出します。
さらに、成長期においてトラウマや悲しみが発生した時に、抑うつポジションを回避する為に「躁的防衛」(支配感、征服感、軽蔑を使った原始防衛機制の複合技みたいなものです。)を用いる事により、抑さらにうつポジションへの移行を妨げます。より強力に相手のせいにして反省しないのです。
そして、人格の中に「自己愛構造体」という特殊な構造体を作り出し万能感の万能感の自己を作り出します。万能なのでどんな悲しみが来ても人のせいにします。これがまたさらに抑うつポジションへの移行を妨げるのです。
こうして、パーソナリテリィ障害の人は「妄想・分裂ポジション」に留まり、不都合な事があっても「原始的防衛機制」「躁的防衛」を用い「抑うつポジション」に行かないため深い反省や後悔が出来ないのです。そして、自己愛構造体を作り出し手が付けれなくなります。
すみません。ざっと書いたので。わかりにくいと思いますが。。。