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過剰防衛の過失致死ってありえますか?

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ID非公開さん

2017/12/113:24:04

過剰防衛の過失致死ってありえますか?

向こうが暴力を振るってきてやり返したけどその結果、相手が死亡してしまった。
やり返し方がやりすぎ(例えば素手にナイフなど)だった。
でも殺人の故意も傷害の故意もない場合、どうなりますか?
殺人の過剰防衛?傷害致死の過剰防衛?
過失致死の過剰防衛?どれですか。
それか単に過剰防衛という罪になるのですか。

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回答数:
5

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ベストアンサーに選ばれた回答

ぷっくまさん

2017/12/117:34:35

うーん、質問者の質問を読んでみて、犯罪の成立要件から説明をする必要があるかなと思った。

まず、特定の行為が犯罪として成立するためには、
・構成要件に該当する行為であること
・違法な行為であること
・有責な行為であること
この順に検討がされ、どこか一つでも当てはまらなければ、犯罪として成立はしない。で、質問の回答にはこの犯罪の成立要件を理解してもらわなければ、きちんと回答できないから、ちょとお付き合いを。

で、構成要件だけど、これは犯罪と規定する行為の類型。
例えば、殺人罪ならば「人を殺す」、窃盗罪ならば「人の財物を窃取する」といった具合だ。
で、ここまでは単純に話したが、構成要件には、様々な要素が加わる。
主に分けると、客観的構成要件要素と主観的構成要件要素と分けられるけど、主観的構成要件要素というのは、犯罪の行為者の内心に関わるものを言うのだが、その中には故意又は過失も含まれる。
例えば、故意に住居に火をつければ、現住建造物放火罪となるが、過失で火をつけてしまった場合は、失火罪ということになる。

で、質問にあった過失致死罪について、過失致死罪は過失傷害の罪の中に含まれており、いわば過失傷害罪の加重類型(被害者の死亡という結果によって刑が加重される罪の規定)である。

一方で傷害罪、傷害致死罪は、故意犯である。で、傷害致死罪は先ほどの過失致死罪と同じく、傷害罪の加重類型。
では、傷害罪、傷害致死罪の故意の内容はどのようなものか?というと、暴行を手段とする場合、暴行そのものに故意があれば、傷害罪の故意が認められる。つまり、相手を怪我をさせるつもりはなかったというのは、言い訳にはならない。

話が長くなるが、
刑法
第二〇四条 人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

第二〇八条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

刑法第204条は傷害罪、第208条は暴行罪。で、暴行罪は、暴行をして傷害の結果が発生しなかったときに該当するとしている。このように規定していることから、傷害罪は暴行について故意があれば、成立するとしている。

で、この話はここで一度置いておく。

次に違法な行為であることー違法性の話だ。
で、さっき構成要件は、犯罪となる行為の類型と話したが、いいかえると、そもそも構成要件に該当する行為は、違法性を有していると言えてしまうことになる。となると、わざわざここで違法性を検討する必要がないように思えてくる。

しかし、例えば、警察官が犯罪者を逮捕する行為は、構成要件の観点からみれば、逮捕監禁罪を構成してしまっていることになる。
でも、これは違法性がある行為と言えるのかといえば、あるわけがない。このようなことから、構成要件に該当する行為で、違法性があるのか検討をする必要あるということになる。
で、ちなみに裁判所が交付した逮捕状に基づいて、犯罪の被疑者を逮捕する行為など、法令や社会通念に照らし合わせて、正当な業務の行為であるという場合、刑法の規定によって、違法性が阻却される(違法ではなくなる)としている。これを正当法令行為という。で、構成要件に該当しながらも、違法性を阻却する事由を刑法では、他にも規定しているが、このような事由を違法性阻却事由という。

その違法性阻却事由の一つに正当防衛があるわけだ。

で、ここからが質問の回答の本題。
先に結論をいうと、過剰防衛によって、過失致死罪など過失犯としては成立しないといえるわけである。つまり、過剰防衛は故意犯に変わりはないって話である。

なんで、ここまで長く話しをしたかというと、質問者の誤認があったからだ。一つあげると、、、
「傷害の故意もない場合、どうなりますか?」
傷害罪も傷害致死罪も、傷害の結果発生について企図しなくとも、暴行の段階で故意があれば、成立すると話したよね。
で、重要なのはここから。

正当防衛は、確かに犯罪として処罰されないが、それは犯罪の構成要件に該当する行為であっても、正当防衛に該当すれば、違法性がなくなり、犯罪として処罰されないという意味である。つまり、正当防衛が成立する場合でも、過剰防衛となって処罰対象となっても、防衛行為をするということは、暴行の故意があるってことなんだ。

で、過剰防衛には、量的過剰と質的過剰の2種類があるんだ。
量的過剰というのは、例えば、相手が攻撃をやめたにもかかわらず、相手に対して暴行(防衛者にしてみれば、防衛行為かもしれないが、暴行には変わりはない)をやめなかったような場合をいう。
で、質的過剰というのは、手段の相当性を欠いている場合ー例えば、素手に対して刃物を用いて防衛行為をするなどが、これにあたる。

しかし、量的過剰でも質的過剰でも、防衛行為そのものが、法的には暴行に該当し、故意が存在するため、傷害罪や傷害致死罪が成立することになる。

だから、過剰防衛には過失犯は成立しないといえる。

で、余談的に話せば、殺人の故意があるというのなら、それは殺人罪ってことになるし、正当防衛や過剰防衛ということは、全く関係がない話になってくる。というのは、あくまでも正当防衛は自己、又は他人の生命、身体等を防衛するために行った行為については、違法性がなくなるものである。そのため、防衛の意思が必要とされることになる。これは質的、量的に過剰となって過剰防衛に該当しても、同様であり、過剰防衛といえるためには、防衛の意思が求められるわけである。つまり、暴行の故意はともかく、殺人の故意ということになれば、防衛の意思とは相容れないため、正当防衛にも過剰防衛にも該当しないってことになる。

で、もう一つ余談的に話すが、防衛者が正当防衛を行なったつもりだったが、正当防衛とはならなかったときで、過失犯が成立する場合がある。それは、刑法では規定されていないが「誤想防衛」と呼ばれるもので過失犯が認められる場合がある。(似た言葉で誤想過剰防衛というのもあるが、全く違うし、こちらは故意犯が成立する)

誤想防衛の話をすると、さらに長くなるし、学説上の争いがある話だから、割愛。

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    質問者

    ID非公開さん

    2017/12/207:09:56

    久しく刑法を勉強できていなかったので混乱していました。
    ありがとうございます。
    過剰防衛は過失犯に成立し得ない…納得しました。

返信を取り消しますが
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質問した人からのコメント

2017/12/2 07:11:35

構成要件該当性から説明してくださったこの方をベストアンサーに選ばせていただきます。
ありがとうございます。
他の回答してくださった方もありがとうございました。

ベストアンサー以外の回答

1〜4件/4件中

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sch********さん

2017/12/118:58:12

傷害致死ではなく過失致死になる過剰防衛のケースか……
殴りかかってきた手を払ったらバランスを崩して階段から転げ落ちて死亡……とかだと正当防衛で治まりそうだな。
過剰防衛という事は意図的で過剰な反撃が前提になるから加害意図が無いと成り立たないんじゃないか?
ナイフで反撃とかだと常識的に大怪我するのは判りきっているから怪我をさせるつもりはなかったと主張しても未必の故意は成立する。

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gjm********さん

2017/12/114:21:05

暴行の故意で暴行し、その結果、死亡させてしまったので、傷害致死罪が成立します(傷害罪は暴行罪の、傷害致死罪は傷害罪の結果的加重犯です。)。

また、過剰防衛は刑の減軽・免除事由です。

結局、傷害致死罪が成立し、過剰防衛により刑が任意的に減軽または免除されます。

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hor********さん

2017/12/113:56:50

まず単に過剰防衛という罪はありません。何の刑が軽減・免除されるのか分からないからです。

その上で、過剰である事実を認識していないのなら、故意が阻却され、過剰防衛として過失致死罪に問われます。

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hho********さん

2017/12/113:38:26

その場合、傷害の故意なので、傷害致死で過剰防衛ですね。

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