保育士を取る大学はたくさんありますが、大学が何か自分を変える、 個性を形成する場だと考えるなら、子どもを取り巻く社会や諸問題を 幅広い観点から学べるほうがいいと思いますよ。 国公立の教育大などは、「教員養成」を主眼としているので、民間企業 への就職を考えると企業のニーズを先取りした先進的なプログラムを持つ 大学はあまり見当たりません。 「児童・発達心理学＋教育学＋家族社会学」がミックスされたような 「人間科学系、総合科学系」の学部・学科は一番近いのではないか、と 思います。 難易度を無視して挙げるなら、難関ですが、 ●大阪大学人間科学部・社会学、社会環境学コース →社会環境学コース：人間と社会が直面しているさまざまな問題を ミクロレベルからマクロレベルまで理論と実証の双方の面から分析解明する。 ●お茶の水女子大・文教育学部人間社会科学科 →社会的存在・個人的存在としての人間とその発達過程に多彩な方法論 でアプローチ。社会学コース：家族，マスメディア，コミュニケーション，青年文 化，高齢社会などさまざまな社会問題の背景や原因を分析し実践的な問 題解決能力を育成する。 ●神戸大学発達科学部人間形成学科 →心理発達論、子ども発達論、教育科学論、学校教育論の４履修コース からなる。人が相互に支え合いながら人として育ち育てられていくプロセスを， 生活に根ざしながら理論的、実証的に探究する。 ●広島大学総合科学部 →総合科学部の幅広い学問分野の特長を生かし，「文系にも強い理科系 学生と理系にも強い文科系学生」の人材育成を目標に文系・理系どちらも 選択できる。 地域文化、社会文化，人間文化，言語文化，行動科学，スポーツ科学， 生命科学，数理情報科学，総合物理，自然環境科学の10プログラム制を とっている。 この他、人間科学（行動科学）系の学部でお勧めは、 ●千葉大文学部人間行動学科 ●奈良女子大文学部人間科学科こども臨床コース ●大阪府立大人間社会学部、があります。 最も合致してるのは、旧・教育学部が進化してできた異色の学部でもある、 ●「神戸大発達科学部・人間形成学科」（文系）ではないでしょうか。 イチオシ、です。将来につながる興味・関心に応えるものがあると思います。 あとは、私大の中でお勧めなのは、２つとも京都になりますが、就職もいいのは、 ●立命館大学産業社会学部・現代社会学科・こども社会専攻：偏差値６３ 現代社会における子どもを取り巻く環境、子育ての現状や解決法を多角的に 研究する。小学校教諭１種免許を取得できる。 ●同志社女子大現代社会学部現代こども学科：偏差値５５ 「こどもとは何か」を実践的に幅広く理解した上で，こどもをどのようにはぐくみ， ケアしていくのかをデザインする。なお，幼稚園・小学校教諭１種免許を取得 できる。 この２つはテーマもピッタリですね。 また、まったくちがう観点からいくと、児童文学や世界の絵本を学ぶ、 ●白百合女子大文学部児童文化学科も、いかがですか。 エキスパートな「子ども文化」を身につけることは強みにもなります。ここは、 国公立を差し置いて、日本の大学で児童文学研究のトップですが、 偏差値は入りやすいほうです。（すべり止めにどうぞ） 児童文化学科は次の２専攻。 ・児童文学・文化専攻では，児童文学・マンガ・おもちゃなどについて学ぶ 「文学・文化研究」と，コンピュータによる実作や編集実務・出版論などに ついて学ぶ「絵本制作・物語創作」のふたつを軸に，さまざまなジャンルの 科目が設置されている。 ・発達心理学専攻では，心理学全般を基礎から学ぶとともに，乳幼児から 高齢期にわたる生涯発達についての幅広い知識の修得を目指す。 また、保育士養成課程が併設されている。 ↑ほら、面白そうなカリキュラムと保育士課程がそろっているでしょう？ 経営学なんてはいて捨てるほどいます。やったから就職がいいとは限りません。 個性・特徴を身につけオンリーワンなテーマを追いかけたほうがいいと思います。 アップリカ葛西だけでなく、「食育」の観点から子どもにいい食事を提供しようと 考える食品メーカー、産業は多くあります。少子化社会では、正しく、大事に 育てることは企業の社会的使命でもありますから、やりがいのある分野だと思 います。ベネッセ・コーポレーションもシマジロウの「子どもチャレンジ」などで子 どもに役立つサービスを提供するいい会社ですね。