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「全然」は、ふつう否定型に付きますが、最近では肯定型につけている会話を耳にし...

gen********さん

2018/4/818:25:16

「全然」は、ふつう否定型に付きますが、最近では肯定型につけている会話を耳にします。「全然」という言葉を肯定の言葉につけるのは合っているのでしょうか?

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kai********さん

2018/4/910:35:05

「全然」は、下に否定的な表現を伴って使われるのが原則ですと、少なくとも年配の人はそういう言い方をしています。
「全然」を肯定の意味で使う(状態の副詞)のは、明治時代の文芸作品にも見られ、かならずしも間違いだとは言えませんが、使わないほうが無難ではないでしょうか。

「全然」という語には、三つの働きがあります。
①「全然」は「全然できない」「全然おもしろくない」のように、下の打消しの呼応を伴うのが本来の用法とされています。…陳述の副詞
②また「全然“だめ”だ」「全然“無意味”だ」「全然“むだ”だ」という場合も、「だめ」「無意味」「むだ」という言葉自体が否定的意味をもっているため、それほど抵抗感はありません。…程度の副詞
③しかし、その枠からそれて「全然きれいだ」「全然すばらしい」となると、奇異に感じる人が多いようです。…状態の副詞
..このように、問題にされるのは、「全然おもしろい」「全然いい」などのように、「断然。非常に」の意味に用いた≪状態≫の副詞としての「全然」(③)です。
“マイナスの評価の意味を表す語”にかかるものとしてしか用いられなかった「全然」の用法を逸脱するものだからです。

【補足】
(a)[陳述(呼応)]の副詞
..→例えば、「悪い」を「よくない」というように、“マイナスの評価を意味する語”は、プラスの評価の意味を表す語を打ち消すことによって表わすことができます。この用法は、「全然」が打消しの表現を要求することになります。
(b)[程度]の副詞
..→「まったく。まるっきり」の意味を表し、「反対だ」とか「悪い」とか≪マイナスの評価≫を意味する語(言葉自体が否定的意味を持っている語)にかかっていました。
(c)[状態]の副詞
..→「すっかり。ことごとく」の意を表し、打消しの表現と呼応する必要はありません。

∞∞∞∞∞∞
『羅生門』(芥川龍之介)
①下人は始めて明白にこの老婆の生死が、“全然”、自分の意志に支配されてゐると云ふ事を意識した。
②さうして、又さつきこの門の上へ上って、この老婆を捕えた時の勇気とは、“全然”、反対な方向に動かうとする勇気である。
『坊ちゃん』(夏目漱石)
③「一体生徒が“全然”悪るいのです。どうしても詫(あや)まらせなくつちあ、癖になります」
∞∞∞∞∞∞
①の「全然」は、「支配されてゐる」にかかっています。「すっかり。ことごとく」の意味を表す[状態]の副詞(c)です。
②の「全然」は、「反対な」にかかっています。「まったく。まるっきり」の意味を表す[程度]の副詞(b)です。
③の「全然」は、「まったく。まるっきり」の意味を表す[程度]の副詞(b)です。

【ご参考】
・・・・・・『言葉に関する問答集』第2集・問54(文化庁編集)
・・・・・・『勘違いの日本語、伝わらない日本語』(北原保雄著・宝島新書)
・・・・・・『日本語の難問』(宮腰賢著・宝島新書)より抜粋・要約

下記の日本経済新聞の記事もご参照ください。
日本経済新聞ライフトップ > くらし > ことばオンライン
「『全然いい』は誤用」という迷信 辞書が広めた? 2012/6/26 6:30
http://www.nikkei.com/article/DGXBZO42854280R20C12A6000000/
なぜ広まった? 「『全然いい』は誤用」という迷信 2011/12/13 7:00
http://www.nikkei.com/article/DGXBZO37057770W1A201C1000000/

【ご参考】
全然_迷信
∞∞∞∞∞∞∞∞∞
..実態としては、肯定文でも使われているのに、否定と呼応させて使うという「迷信」が「全然」に付与されたのはなぜだろうか。明治後半から終戦くらいまで、おおむね二十世紀前半は、文法教育が確立していく時代でもあった。例えば、英文法なら、「at allは否定文で用いて否定を強める」、ドイツ語なら「garは nichtの直前に置き、否定を強める」のように、否定の呼応規則として教授することも多かった。日本語でも、同じような文法規則があると想定されるようになり、at allやgarの訳語に使うことも多かった「全然」に否定呼応規則のイメージが染み込んでいったと考えられる。
..実は、at allやgarも否定でのみ使うわけではないのだが、規則は単純なほうが教えやすく、習得しやすい。強調の副詞はタにもたくさんあるから、「全然」が否定文でしか使えなくなっても、現実に困ることはまずないわけである。ここで興味深いのは、現実のことばの使用から抽出するはずの文法規則が、いつのにまにか主客転倒して、文法規則に合うように現実のことばの使用が制限されるようになってしまったことである。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞
……加藤重広『日本人も悩む日本語』朝日新書、P161~162

質問した人からのコメント

2018/4/14 14:06:44

わかりやすい丁寧な解説ありがとうございました。

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sap********さん

2018/4/907:07:18

「全然」は用法が激しく変化している語です。

▽本来:完全に
1. のみならず又ゲエルの話は哲学者のマツグの話のやうに深みを持つてゐなかつたにせよ、僕には全然新らしい世界を、――広い世界を覗かせました。(『河童』芥川)
https://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/45761_39095.html#midash...

▽現在の標準:(否定語とあわせて)少しも~ない ※戦後からの用法
https://www.ninjal.ac.jp/research/project/c/newlycoinedw/files/Main...

▽新用法1:「全然問題ありません」の略
2. どこか具合が悪いのですか?――全然大丈夫です。

▽新用法2:すごく ※『岩波国語辞典』は最新版でも誤用扱い
3. ここの刺身は全然うまいよ。

hon********さん

2018/4/818:44:41

肯定形で用いるのは構いませんが、「非常に、とても」の意味で用いることは、未だ規範的な用法だとは言えません。

「全然」<大辞泉>
1 (あとに打消しの語や否定的な表現を伴って)まるで。少しも。「全然食欲がない」「その話は全然知らない」「スポーツは全然だめです」
2 残りなく。すっかり。
「結婚の問題は全然僕に任せるという愛子の言葉を」〈志賀・暗夜行路〉
3 (俗な言い方)非常に。とても。「全然愉快だ」

上記のように、辞書にも「残りなく、すっかり」の意味での肯定形の用例は載っています。

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giv********さん

2018/4/818:34:19

>「全然」は、ふつう否定型に付きますが

これがそもそも誤解で、「『全然』に続くのは否定形のみ」というのは、戦後に言われ始めた根拠のないルールです

漱石、鴎外ほか、明治の文豪は否定肯定問わず「全く」の意味で使っています

pet********さん

2018/4/818:30:59

時代的にはいい?のだろうけど、本来は否定形ですよね。何回もだと聞いていてイラっとします。〜からでよろしかったですか?よりマシかな。

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