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アメリカで「現代金融理論」(MMT)というのが盛り上がっているそうですが、 自国...

huj********さん

2019/3/1813:10:33

アメリカで「現代金融理論」(MMT)というのが盛り上がっているそうですが、

自国通貨を無制限に発行できる政府は、物価の急上昇が起きない限り、政府債務(国の借金)が増えても問題がないとす

る経済理論、

って、基軸通貨でこそないですが、日本でも三橋さんみたいな論者はじめ何年も前からず~っと議論されてる話でこの掲示板でもときどき話題になりますよね?

なんでアメリカで今ごろ盛り上がってるんでしょうか?

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ric********さん

2019/3/1818:34:06

MMTはずっと以前から、
アメリカおよびヨーロッパにおける民間債務の過剰に
警告を鳴らし続けていたんですよ。
クリントン政権の時代、
アメリカで財政黒字になり
多くの正統は経済学者がそれを歓迎していた時、
MMTのグループは金融危機が近い、と主張し
ガルブレイスなどが国会で
財政黒字は決して歓迎されるべきことではない、
と証言した時にはかなりの冷笑が
浴びせられたようです。
さらに問題だったのが
ブラック・ウイリアムなど
長年にわたりS&L問題やエンロン問題の解明にあたり
政府や業界や金融業界を厳しく追及したような人たちが
含まれていたことです。
こうした動きは当然のことながら
アメリカのエスタブリッシュメントの間では全く歓迎されません。
優秀な学生の多くはもちろん
金融業はじめ、利益を得られる業界へ進むことを希望しています。
それは責められるべきことではありませんが、
そうした学生の動向なども
MMTが広まるうえで足かせになっていた、とは
言えるでしょう。

さらにはユーロ危機の発生については
ユーロ発足以前、エキュの時代からこうした結果になることを
予見していました。
こうしたことも
自由化を推し進めれば万事うまくいく、と
信じる人たち(彼らが政治的には「進歩的」と
考えられがちだった)と、学問的のみならず
実利面でも
利害と対立していたんです。


実際には、MMTと呼ばれるグループの
中心人物の中には
ウォーレン・モズラーの様な
投資で成功した人物も含まれています。
ところがそれがまた、逆に左派といわれるようなグループの人たちからも
敬遠される理由になっていたようですね。
モズラーは90年代に
ヨーロッパ統一通貨導入前に
イタリアで国債破綻が懸念され
リラが急落した時、
当時のイタリアであれば、国債がデフォルトするわけない、
と見て取り、相場の逆を行って
大儲けしたわけです。但しその後、
ロシアで国債がデフォルトしたときには
大きな損失も被ったようですが
こうした経験から、さらに
彼らの言う主権通貨の理論は洗練されたようで、
ある程度多くの投資家がMMTや
そこから派生したMR(Monetary Realism)というような
グループに参加しています。

またMMTはもともと学問的な領域で活躍していた人たちが多く、
政治運動という面では
まあ、ステファニー・ケルトンやガルブレイスが
サンダースのアドバイザーとして参加したことが話題になりましたが、
全体としては微々たるもので、
この点は、同じ「財政破綻はしない」派でも
Positive Money 派が社会運動という形で
積極的にかかわっていたのに比べると、
やや動きが遅かったのかな、とも思います。

MMTについては誤解が多いのですけれど、
少なくとも「政府は札を刷れば財政破綻をしない」というのは
不正確な言い方ですし、
MMTの主張のごく一部でしかありません。
政府がいくら国債を発行しても財政破綻に陥る必然性はない、
というのは、あくまでも政府が
「貨幣主権性」を維持している場合のことですし、
財政支出をいくらしても
インフレになることはない、という主張は
MMTのものではありません。逆に言えば
どのような条件があると
国家債務の債務不履行が発生するか、というのも
MMTの論点の一つになります。少なくとも
「財政赤字を続けていれば
『いつかは』財政破綻する」というようないい加減なものについては
MMTは批判的、というか全くばかばかしいと
考えています。

また「積極財政によって
経済成長を」というのも、MMTの主張とは
それ自体としては直接関係ありません。というのは
政府が財政支出によって民間部門で
雇用されなかった人たちを直接雇用すれば
経済成長率にかかわらず
常に完全雇用は実現できるわけですから
経済成長や民間部門の景気回復のために
財政支出を行う必要もないわけです。
(結果として経済成長したり景気が回復することまで
否定しているわけではない。)
これは、これまで「トリクルダウン」を主張していた人たちにとっては
真逆の主張になりますから、
なかなか理解しがたい面があるんですよね。
ご質問では三橋さんのお名前が挙がっていますけれど、
おいら自身は読んだことないんですが、
どちらかというと、「日本経済の再興」といった性質のことを
言っている方ではないでしょうか。
MMTにとっては、その国の経済が再興するかどうかは
ある意味どうでもいいことです。といったって
国内の生産力や環境が破壊されてしまえば
財政も糸瓜もない。
MMTがアメリカで現時点で積極財政を主張し
国内インフラの整備や環境保護、医療、
基礎教育への予算拡大を唱えているのは事実ですが
それらは景気を回復させるため、というより
あくまでも民間で雇用されなかった人たちの
雇用を実現することと、
そして今のアメリカの公共分野の状況があまりにも
お粗末すぎ、生活環境や生産活動を
維持できなくなる恐れがあるから、それを回避するために
主張しているわけです。

というか、MMTは、人にもよるかもしれませんが
景気回復を必ずしも好意的に考えていない人が
多いんですよ。
民間部門での過剰な債務発行による景気回復は
景気の振幅を大きくし、
かえって過剰生産・過剰投資と
その後の金融危機、モラルハザードの温床になり、
それによる経済社会的損失は非常に大きい、という
考え方をとる人も多い。
だから、政府支出を増やしても
それと同時に、民間で過剰な投資が発生しないように
むしろ景気を冷ますようなこと(規制・監督のの導入、
厳格化など)も主張している人も
少なくありません。(ランドール・レイ、
エリック・ティモワーニュ、上記のケルトンや
ガルブレイスなど。)

実際には、アメリカは日本に比べると
やはり「政府に依存せず民間の力で
経済発展を遂げる」という発想が強いように感じます。
それを後押ししていたのが
大学で教える経済学ですし、
実際に金融業の発展であるわけです。
MMTは、こうしたことにいちいち
反旗を翻しています。政府支出がなければ
民間の黒字は形成できない。
学校で教える経済学には致命的な欠陥がある。
金融業の発展は、実際には
多少の原資産をもとにレイヤー化を重ねた結果
肥大化したものであって、
分配をゆがめる上、ほぼ必ず金融危機を招く、、

ある意味で、
こうした資本制経済の暗い面ばかりを強調しているわけですから
あまり相手にされなかったのも
無理もない、といっていいと思います。
ただここにきて、さすがのアメリカ人たちも
少し身の回りのことを
再確認せざるを得なくなってきた、
それがMMTの流行につながったような気がします。

  • ric********さん

    2019/3/1917:30:37

    ブラック・ウイリアムじゃない、
    ウイリアム・ブラックだった。。。。(´・ω・`)

返信を取り消しますが
よろしいですか?

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質問した人からのコメント

2019/3/24 21:29:31

大変詳しく教えていただき、ありがとうございました!

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goo********さん

2019/3/2219:09:15

いいえ。盛り上がってなんかいません。
一部の社会運動家が注目しているだけで、アカデミアの人間からは嘲笑されています。

kyo********さん

2019/3/1913:51:50

世界中で政府債務が増えているにも関わらず低金利状態が常態化してるからです
もはや日本だけを特殊なケースとみなすことができず、新たな理論でなければ説明がつかない環境になってきたからです

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