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古くから有る温泉の源泉は掘削しなくても自然に湧き出ていたのですか? 掘削...

kas********さん

2019/6/919:21:05

古くから有る温泉の源泉は掘削しなくても自然に湧き出ていたのですか?


掘削技術が無い時代から温泉は有ったと思います。
湯量が豊富な温泉は地面から自然に湧き出ていたのでしょうか?

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unt********さん

2019/6/1220:51:50

江戸時代以前から知られている温泉は、そのほとんどすべてが元々は「自然湧出泉」といって自然に地上に湧き出ていた温泉でした。土肥温泉(静岡県)のように江戸時代初期に金鉱山を掘っていて偶然発見された、という温泉もありますが例外です。


自然湧出泉の一番分かりやすい事例は、活火山周辺に見られるいわゆる「地獄」と呼ばれる噴気地帯でしょう。登別(北海道)の地獄谷、鳴子(宮城県)の鬼首地獄、那須湯本(栃木県)の殺生石と賽の河原、箱根(神奈川県)の大涌谷、雲仙地獄(長崎県)、霧島(鹿児島県)の硫黄谷…と各地の火山地帯にあります。酸性泉や硫黄泉など火山性温泉の特徴がよく現れた温泉が主体です。

同じ火山性の温泉でも、地下にある熱源(マグマ溜まり)に地下水が触れて熱せられ、水を通しにくい地層の上をすべるように移動して、地層がたまたま露出しているところ(川が山を削ってできた渓谷など)から湧出するものがあります。概して高温で、岩石中のミネラルを溶かしながら湧出する効能豊かな温泉になります。


断層性温泉と呼ばれる非火山性の自然湧出泉もあります。
火山脈の有無に関係なく、一般に地下深くなればなるほど地表より地温は上昇します。地温勾配といいます。地球内部からの熱や、地殻深部の岩石中に微量に含まれる放射性物質の崩壊による熱エネルギー放出の影響を受けるためです。
火山の影響が無い地層であっても、100m深くなるごとに地中の温度が2.5~3℃ずつ上昇します。
地下深くで高温になった地下水が、断層など地上への出口がたまたまあると、毛細現象で高温を保ったまま地表へ湧出することがあります。また断層を上昇するときの摩擦熱で泉温がさらに上昇し、地中の物質を溶融させて湧出する場合もあります。
私たちの日常感覚では、摩擦熱ごときで水が高温になるなどあまりイメージできないのですが、世界中で見られる現象で、大陸の周辺に火山のまったく無い場所でも古くから知られている温泉がたくさんあります。

日本にもこのような断層による非火山性温泉はたくさんあります。道後温泉(愛媛県)や城崎温泉(兵庫県)などは周辺に火山がまったくないのに、飛鳥・奈良時代から知られていた高温の自然湧出泉でした。同じく古代から知られていた有馬温泉(兵庫県)は温泉の成因がちょっと特殊なのですが、やはり周辺にまったく火山が無いのに、断層の摩擦熱だけで高温の温泉になっている点では同じです。



活火山地帯の温泉は少し別としても、それ以外は温泉が通る地層にたまたま露頭(地層が外にむき出しになった所)があったとか、たまたま温泉水が地表に出られる断層があったとか、地球のちょっとしたいたずらと言うか、偶然の積み重ねによるほとんど奇跡的な現象として温泉は自然湧出していたわけです。

洋の東西を問わず、昔の人々は温度が高くて色・味・匂い等が普通の湧き水とは明らかに異なる特別な泉水が一部にあることを発見し、それに特別な医療効果があることにも経験上気がつきました。温泉治療(湯治)目的で一定期間滞在する人々のため湧出口(源泉)の周囲に収容宿舎が作られ、彼等相手の商店や遊興施設ができて、いわゆる「温泉街」が形成されていきます。日本も同様です。
江戸時代以前の温泉というのは基本的にすべて、自然湧出していた湯量だけを利用するものだったのです。



明治に入って西洋から機械の力で地下深くを掘削するボーリング技術が導入されてから、様相は一変します。
伝統的温泉地では、一軒宿のところは別として、明治以前は自然湧出していた温泉を貯めた共同浴場(外湯)だけがあって旅館に温泉は引かれておらず、宿泊客はみんな外湯に通うスタイルが普通でした。
しかしボーリング技術が普及すると、各旅館は敷地内で盛んに源泉掘削競争を行ない、新源泉を掘り当てて旅館専用の温泉浴槽(内湯)を作るようになります。

温泉はもともと、むかし降った雨水が地中に浸透し、熱せられて地表に湧出したものです。自然湧出の温泉を利用している分には、地球の水循環の中で生成される温泉だけを使っているのですから、湯脈が変わらない限り半永久的に利用できます。

しかし各施設が競って新源泉を掘削し、温泉地全体で使用する湯量が急増したら、いずれ自然の供給量を超えてしまうのは明らかでしょう。年々温泉地全体での湯量が減っていったり、あるいは地盤が下がって地下水(海に近い所では海水の場合も)が大量に混入して泉温が下がったり成分が薄まったりする温泉地が続出するようになります。
そしてかつては自噴していた温泉も自力では地表に湧出できなくなり、ポンプの力で強制的に汲み上げざるを得なくなってきます(動力揚湯)。

戦後になると社員旅行など団体旅行のブームが来て、歓楽型温泉地の旅館の巨大化が進み、各旅館はさらに大きくなった器を満たすため新源泉掘削競争を加速させました。これは温泉の質のさらなる劣化を招きましたが、そう都合よく新源泉を掘り当てられるものでもないため、湯量不足を補うべく「循環式浴槽」「(大量加水した)水増し浴槽」が常識化し、浴槽を満たすお湯が本来の温泉からかけ離れたものになっていったのでした。


江戸時代以前から知られる伝統的温泉地は、程度の差こそあれほとんどがこのような「温泉力」の低下を経験しています。
もともとは自然湧出していたはずの温泉はほとんど動力揚湯となり、もう少し成分量があったはずの温泉が今は薄い単純温泉になっているケースもあります。熱海・伊東(静岡県)や白浜(和歌山県)など海に近い温泉は、今は海水起源の地下水が混入してかなり塩辛い温泉になっていますが、本来はこんなに塩分の濃い温泉ではありませんでした。

過剰掘削で温泉の質が低下し、また新しい源泉を掘ったがために従来からの源泉が枯渇するという事態も頻発したために、現在は多くの温泉地では、温泉地全体の複数の源泉の湯を一つのタンクに集め、各旅館・施設に配湯する「源泉集中管理」を行ない温泉資源の保護を図っています。また動力揚湯を禁止し自噴する源泉だけを使うという形で長期的に温泉資源保護を図る温泉地も出てきていますが、そこまで各旅館での合意形成ができていない温泉地の方が多いのが現状です。



またかつては宝くじで一等を当てるより難しいと言われた、従来温泉の無い地域での温泉掘削ですが、事前の地下水脈の探索技術の進歩と、大深度掘削といわれる地下1000メートルを超える掘削技術の進歩で、現在は高い確率で泉脈を掘り当てることが可能になりました。
昭和中期までは深くても地下数百メートルまでの掘削だったのですが、現在は地下1000~2500メートルも掘ってポンプで汲み上げている温泉も珍しくありません。

「温泉法」では、泉源での水温が25℃以上ある地下水を温泉と定義しています。
地温勾配で地下100m深くなるごとに地温は平均3℃上昇するのですから、理屈上は地下1000mの所から地下水をポンプアップすれば、その泉水は高い確率で泉温25℃以上の「温泉」と認定されるわけです。
近年、温泉がもともと湧いていないはずの大都市圏や平野の真ん中などに盛んに建設されている新興の温泉施設の多くは、このようなカラクリで「温泉」と認定されたものです。

温泉法が制定された昭和23年当時は、温泉のために地下何千メートルも掘削することなど想定していません。地下深くで静かに眠っていた地下水を無理やり汲み上げたものを「天然温泉」と無邪気にありがたがってよいのか、個人的には疑問に思います。

国によっては、自然湧出している温泉以外は温泉ではないという線引きを法令で定めているところもあります。明治以来、温泉を得るという目的のためだけに地下に何万もの穴を掘り続けている日本人は、いかに温泉好きとはいってもいささか度を越しているのかもしれません。

質問した人からのコメント

2019/6/14 18:21:33

回答を投稿してくださりありがとうございました。

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kik********さん

2019/6/1307:18:48

石和は何もせず突然ブトウ畑から温泉が噴出したんじゃないよ、ちゃんと温泉掘削を試みて成功したんだ、自然に湧き出たわけじゃない。
もともと地元の観光農園が昭和31年に井戸水の掘削をしたら30℃の微温泉が出て、これを40℃に加熱して入浴施設を作っていた。
それじゃあ我々も試しにってことで、昭和36年に山梨交通がその近隣に保養所を建てるときに温泉試掘をしたところ、泉温60℃で毎分1200リットルという高温泉が自噴したの。想定外の高温泉が大量噴出したんで当時大騒ぎになったのは確かなんだが、こういうのは自然湧出とはいわない。

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cya********さん

2019/6/1223:25:17

私が聞いたところでは 山梨県の石和温泉ここはブドウ畑に突然温泉が湧いたと聞いてていますが箱根なども 昔から温泉地として栄えたと言われておりますので
今みたいに 掘削技術がなかった頃ですから自然湧出ではないかと推測ですが
現代は掘削技術が優れており 1500メートルくらいで温泉が出るそうですが
中には1700メートルの温泉もありましたのが最高位です

kaz********さん

2019/6/1011:52:50

はい、温泉が自噴するのはよくあることです。有名なところでは、草津の湯畑などはまさにそうですね。

結局、地下水も同様ですが、地層の境目の部分を流れて出てくるものですから、その割れ目のところからは自然と湧出するのです。汲み上げるのは、地中のその流れからくみ上げているわけですね。

これは、湯量が豊富だからではなく、そういうお湯の流れだから、というほうが正しいですね。

wag********さん

2019/6/920:05:43

その通りですね、今でも河原や山から湧いてる所はありますよ、山の穴から湯気が吹き出していたりしますが、温泉の湧き出し口は様々ですね
湯量が豊富な温泉は常にガンガン出ていますが、穴掘って出た温泉は枯れたりもしています
また山から湧いていて川に流れ込んでいたので昔の人でも温泉は古くから知られてはいたという事になります、現在の様に誰でも?簡単に行ける様になったのは明治頃からの開拓と道の整備がなされてからだとされています

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