「進行した糖尿病性腎症の患者様に漫然とアマリールを処方するのは止めてほしい」と広めたい。
「進行した糖尿病性腎症の患者様に漫然とアマリールを処方するのは止めてほしい」と広めたい。 長文です。 糖尿病が進行すると糖尿病性網膜症、糖尿病性神経症とともに糖尿病性腎症を来たし、尿蛋白(尿タンパク)、慢性腎障害、腎機能低下(血清クレアチニンの上昇、eGFRの低下)を来たします。 体内のインスリンは腎臓で30%近く代謝されますので、腎機能の悪化に伴い体内にインスリンが残留し、血糖値が低下傾向になります。 腎機能低下がない頃に開始された SU剤 ・グリメピリド(アマリール) ・グリベンクラミド(オイグルコンやダオニール) 速効性食後血糖降下薬 ・ナテグリニド(スターシスやファスティック) は、肝臓で1回代謝された後の、活性を持つ代謝物の腎排泄性が強いため、腎機能低下のある患者様では、強烈な遷延性の低血糖を起こします。 BG剤(ビグアナイド、・メトホルミン、メルビンやグルコラン) は、腎機能低下のある患者様では、致死的な乳酸アシドーシスを起こす可能性が高まります。 腎機能低下に伴い、浮腫が出てくるため、・ピオグリタゾン(アクトス)も使いにくくなります。 しかし、特にSU剤のアマリールが、糖尿病性腎症の進行による腎機能低下(危険なのは血清クレアチニンが1.5-2mg/dl以上ぐらいから、)があるにも関わらず、処方され、感冒などで食事が摂れなくなった途端に、アマリール中止後も1週間ほど続く強烈な遷延性の低血糖を起こす例が散見されます。 SU剤や速効性食後血糖降下薬を処方するのならば、代謝物の活性が少ないグリクラジド(グリミクロン)か、ミチグリニドカルシウム(グルファスト)にしていただきたいのです。 また、透析直前ではなく、「CKD診療ガイド」ぐらいのタイミングで腎臓内科に紹介していただきたいのです。 関与した患者様については、元の診てらした先生にお伝えすることができますが、できれば今後はもっと広く地元の糖尿病の患者様を診ていらっしゃる先生にお伝えしたいと考えております。 私のような力の全くない非常勤の者でも、先生方に費用少なく効率よく広く手早くお伝えするには、どのような方法が一番良いでしょうか?東京の23区内です。
丁寧な回答恐れ入ります。 たしかに、かかりつけの先生による管理がよいですね。 診療のコツの項目は、 腎症の鑑別(検尿、腹部エコー、網膜症)、腎不全で使いにくい薬、浮腫や体重調整(ループとサイアザイド系利尿剤併用)、ACEiを含んだ血圧調整、腎性貧血(フェリチン、EPO製剤)、副甲状腺機能亢進症、eGFR算出と時系列グラフ(Exel使用)と透析準備時期、慢性閉塞性動脈硬化症(足底動脈と足背動脈チェック) ぐらいで良いでしょうか?
目の病気・14,724閲覧・500
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