サダム・フセインの「大量破壊兵器はない」を信じた人なんかいましたっけ?
サダム・フセインの「大量破壊兵器はない」を信じた人なんかいましたっけ? しばし、「ありもしない毒ガス兵器を理由に、アメリカはイラクに攻め込んだ」なんて陰謀論を書く人がいますが、あの時、フセインが馬鹿正直に毒ガスを廃棄していたなんて、誰が信じていたのでしょうか? フセインが毒ガスを使用したことがあるのは確実だとされてましたし。
ベストアンサー
まぁイラク側も「疑われても文句は言えない」と思います。国連の査察を真剣に真摯に受け入れていればアメリカも攻撃できなかったでしょう。 そもそもアメリカがイラクに対する疑いを強めたのはイラクが国連の査察を素直に受け入れなかったからです。 ■長年のイラクの査察妨害 湾岸戦争後の国連決議678で「イラクは無条件で大量破壊兵器の査察を受け入れなくてならない」とされていた。 にも関わらず、国連の査察団を拒否したり、嫌がらせをしたり、見せるべき施設の公開を拒否したり、と査察妨害を繰り返した。 https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/iraq/98/kei.html ■イラク戦争直前の国連の査察報告 ブッシュ大統領が一般教書演説で「悪の枢軸」と名指しし本気でイラク攻撃の姿勢を見せ始めると、イラクは慌てて協力姿勢を見せますが、それでも査察の妨害を止めなかった。 イラク戦争直前の2003年1月に至っても査察を行うブリックスUNMOVIC(国連監視検証査察委員会)委員長は国連安保理への報告で以下の点を指摘しています。 ・イラクは未だに国連ヘリの査察飛行を拒否したり、科学者もイラク当局の圧力でちゃんと査察に答えない。 ・VXガスや炭疽菌の情報がある。 ・科学者の自宅からウラン濃縮の資料が見つかった。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%82%AF%E6%AD%A6%E8%A3%85%E8%A7%A3%E9%99%A4%E5%95%8F%E9%A1%8C 戦争直前になってもイラクはきちんと国連の査察に協力していないし、化学兵器などの疑惑も残っているとはっきり述べています。 ■開戦時に「大量破壊兵器はない」とは誰も断言していない 国連もイラクは査察に協力しておらず、疑惑は残ったままだとしていたのです。だから「もっと調査を継続するべき」としていたにも関わらずアメリカは戦争を始めてしまった。 確かに戦争を始めたのは間違いだったとしても、この時点では国連ですら査察に協力しようとしないイラクの姿勢から「大量破壊兵器の疑惑は晴れていない」としていた。 「大量破壊兵器はない」と分かったのは戦争後だいぶ後になってからです。 ------------------------------ こういった長年の国連の査察を拒否したりして疑惑にまじめに答えようとしないイラクの姿勢が「拒否したりするのは隠しているからだろう」というアメリカの主張に説得力を与えてしまったのです。 フセインとしてはアメリカや国連をナメて「どうせ戦争なんか出来ない」と思っていたので、国連の査察も素直に受け入れなかったのでしょうが、それが身を滅ぼす結果となった。 半分「自業自得」とも思えます。
質問者からのお礼コメント
>開戦時に「大量破壊兵器はない」とは誰も断言していない でしたよね。
お礼日時:2020/11/25 7:18