天龍型軽巡と軽巡-夕張に水偵や水観および射出機が搭載されていない理由についての質問です。
天龍型軽巡と軽巡-夕張に水偵や水観および射出機が搭載されていない理由についての質問です。 (カテゴリ2は、艦これカテに設定すべきか迷いましたが、本題には工学的な内容が含まれるので、悩んだ末に其のカテとする事にしました) かの『艦これ』と『戦艦少女R』では天龍型と夕張は水上機の搭載数が0となっており、搭載できない理由は船体が小型すぎて水上機と射出機の安定運用が出来ないだろうと判断されたからなのだろうと思っていたのですが、 https://wikiwiki.jp/kantsukuwiki/%E3%81%9D%E3%81%AE%E4%BB%96%E4%B8%80%E8%A6%A7/B65%E5%9E%8B%20-%20%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%B3 の『艦つく』というゲームでは天龍型の船体は おろか、駆逐艦にまで射出機と水上機を装備できるようになっていまして、それに驚愕すると共に気になって調べてみたら https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%AB_(%E9%A7%86%E9%80%90%E8%89%A6) のフレッチャー級駆逐艦の「プリングル」という艦は、殆ど実験的にとはいえ射出機とクレーンを装備して水上機を1機のみ運用していたそうなのです。このプリングルの場合は、射出機での運用が思うように行かずに結局、航空関連装備が撤去されたそうなのですが、 プリングルの場合は排水量2050トンと船体の大きさが夕雲型駆逐艦と同じくらいしかなく、小型すぎて射出時等に船体の動揺が大きく安定性を明らかに欠いたのが原因なのだろうと思われるのですが 天龍型ならば基準排水量は3230トンで、常備排水量で3495トンも有り 夕張でも基準排水量2890トン、常備排水量は3509.1トンも有り ついでに駆逐艦の中でも大柄な秋月型は基準排水量2700トンと、 プリングルよりも明らかに大きいのだから、水偵や水観と射出機とクレーンの安定運用が普通に出来そうな気もします。 特に上記の中で最も大型である天龍型は、艦影の似ている5500トン型軽巡を参考にしつつ龍田の最終時仕様の模型画像を眺めてみながら想像してみたところ、 主砲か魚雷を一つだけ外すか 外さずとも主砲(しかも天龍型のは砲塔では なく砲架)の位置を少しズラすなりすれば 水上機用の射出機とクレーンそして水上機1機を普通に載せれそうだなとも思えました。 長くなりましたが、上記の内容を考慮した上で天龍型や夕張に水上機が搭載されなかった理由 そして何より、天龍型等に射出機とクレーンを装備させての安定した水上機運用が、船体の大きさ的に本当に可能そうか否かについて 回答をどうか御願い致します。
ベストアンサー
ズバリ、あまり使えなさそうだったから、だと思いますよ。 兵器ではしばしば「可能なこと」と「実戦で使えること」には大きな違いがあります。 簡単に言うなら、「水上機を最低限運用する」だけなら、飛行機とクレーンを乗せる浮力さえ確保できれば、100tくらいの「はしけ」からだって可能です。 でも、実際に「軍用」に運用する上からは、「1万tクラスの専門の水上機母艦」だって、あらゆるニーズに対応できる訳ではありません。 「第二次大戦」レベルでは「発艦」は「動力カタパルト」の関係でかなり楽になったんです。 「大西洋」では、「ソナー探査」が確立していない時期、「潜水艦」に対して、「輸送船」の甲板にカタパルトと陸上機を設置、襲撃を受けると発射して、上空から潜水艦を探し(浅海にいればそれなり見える)、攻撃、その後、陸上基地へ帰る、という手法が取られています。 恐らく、質問にある駆逐艦「プリングル」はこれに近いもので、飛行機は「野外係留」のみ?で、一応「回収能力」はあった、だけかなあと推測します。 多分、問題は「発艦」でなく「回収」で、防波堤などを装備した「水上機基地」ではなく「外洋」で着水する場合、波を穏やかにするため、「母艦」が円運動をして、真ん中に「静水域」を作る必要があるんですが、これは、ちょっと荒海だと「1万t」クラスでも難しい、ましてや「2000t」じゃあ、ほとんど無理、となると、結局、陸上基地に帰すしかなく、「行動」にも大幅な制限が及びます。 しかも、例え専用「水上機母艦」でも、「回収時」はほとんど「停船」しないとなりません。 実は「瑞穂」と「神威」には、完全に停止しなくとも、水面にマットを広げて回収できる装置がありましたが、これも実戦環境下ではほとんど使えませんでした。 そもそも「軽巡」というのは何をする艦か?ということです。 多目的には使えるものの、そもそも「航海」とか「艦隊」としての機能に乏しい「駆逐艦」=「駆逐隊」を束ねて、も一つ上位の「水雷戦隊」、「艦隊」にするには「司令部機能を持った艦」=「軽巡」が必要なんです。 それなりの大きさがあれば、「司令部」と「艦載機」の両立も出来るでしょうが、そういうことも含めて、「どういう艦にまとめ上げるか」という考えが必要な訳です。 ちなみに、「日本海軍」では、5000t級の「球磨型軽巡洋艦」でも、「大井」「北上」「木曽」は水上機を載せませんでしたね。 まあ、前2艦は「重雷装艦」構想があった訳ですが、それを下ろした後も航空機搭載はありません。 ともかく、「水上機」は、米軍に大量の「護衛空母」などが装備されるような時代になると、運用の幅が狭まり、日本では「航空戦艦・巡洋艦」構想が試されますが、実質的にはどんどん搭載は減り、「レイテ」レベルでも、搭載、発進はせいぜい「戦艦、重巡クラス」のみで、しかも洋上回収はまず不可能で、全機、基地帰投となっています。 さらに、「軽巡」本来の「水雷戦隊旗艦」としても、「水上機発進」なんて機会はほぼ無い、ひたすら隠密行動というのが普通になります。 ついでに言うなら「戦艦大和」でさえ、最後は全機降ろして出撃しているのに、「軽巡」、しかも「3000t級」に新たに搭載なんて話には、どうしたってならない訳です。 さらに、「史実」としても、「天龍型」も「夕張」も「第四艦隊」=当時の日本統治領「南洋諸島」防衛部隊、に配備されますから、任務から言っても「水上機搭載」が求められるものではない、むしろ、方向としては「火力増強」か「防空力強化」でしょう。
質問者からのお礼コメント
どうも、詳しく有難うございました m(_ _)m
お礼日時:2020/11/26 20:58