生物のからだは細胞でできていますが、細胞の中には遺伝子（DNA)があって、細胞は遺伝子を設計図として参照しながらコピーを繰り返しています。 放射線は木や紙、そして人体を突き抜ける力があります。突き抜けるだけならばよいのですが、そのときDNAを断ち切って壊してしまうのです。少々であれば、正常な細胞の方が多いので自己修復が効きますが、大量に放射線を浴びると、遺伝子が壊された大量の細胞が、壊れた設計図を参照しながら誤ったコピーを繰り返す、あるいはコピー自体できなくなってしまいます。これが生体への影響です。 最後に、成長期の子どもは細胞分裂が大人や老人よりも活発に行われています。それゆえ、「壊れた遺伝子を参照しながらの細胞分裂」も活発に行われ、より大きく影響を受けてしまうのです。