現在でも石油系暖房機器が使われる理由のひとつに、昔のなごりがあると思います。
地域によって多少差がありましたが、2000年代前半頃までは、灯油の価格が1リットル30円台と非常に安く、石油系暖房機器の光熱費が圧倒的に安かった時代がありました。
その上、当時のエアコンの省エネ性能は現代ほど良いものではなく、そのためさらに石油系暖房機器との光熱費に差が出ました。
そのため、2000年代前半頃の暖房事情を経験している人の中には、現在でも石油系暖房機器が一番良いと思っている人も多く、生活習慣の一部になって『暖房 = 灯油を使う』ことが当たり前になっている人もいると思います。
昔に買った石油系暖房機器があるから、そのまま使っている人も多いと思います。
質問者さんが言われるとおり、石油系暖房機器には給油の手間がかかるなど不便なこともあり、何よりエアコンよりも光熱費が高くなる欠点があります。
光熱費が高いと気づいた人はエアコンを使うと思いますが、欠点に気づかない人は石油系暖房機器を使い続けている可能性があります。
さらに別の理由もあると思います。
すべての部屋にエアコンが設置されているとは限らず、エアコンがない部屋で暖房だけ使いたい場合は、石油系暖房機器という選択になると思います。
電気ヒーター系暖房機器(電気ストーブ、オイルヒーター、電気ファンヒーターなど)に比べたら、石油系暖房機器の方が暖房能力が高くて光熱費も安いからです。
エアコンの選択ミスによって暖房能力不足になり、エアコンでは部屋が十分に暖まらないから石油系暖房機器を使っている人もいると思います。
私は2014年のリフォームをきっかけに、石油ファンヒーターを使うことをやめて、エアコンだけを使うことにしました。
給油の手間がなくて便利なのはもちろん、3時間で自動消火しないので24時間付けっぱなしが楽になり、睡眠中も室温を一定に保てますし、何より光熱費が安くなったことが一番ありがたいです。
実用面で見ると石油系暖房機器は不要で、現代ではエアコンがあれば問題ないことになります。
エアコンが設置されてない部屋で暖房するときのみ、石油系暖房機器が役に立つと思います。
寒冷地の場合は条件次第で、頻繁に-20℃を下回る地域では、寒冷地仕様のエアコンより石油系暖房機器の方が効率が良い可能性が高いです。
寒冷地でも-20℃を下回らない地域なら、寒冷地仕様のエアコンの方が、年間を通した光熱費で見ると安くなる可能性が高いです。
灯油は値上がりし、エアコンの省エネ性能は良くなったため、昔とは光熱費の事情が大きく変わったということです。
そのため、寒冷地にエアコンは不向きというのは昔の考え方で、現代は寒冷地でもエアコンの優位性が出てきました。