CPU開発についての質問です。
CPU開発についての質問です。 長年疑問なんですが、CPU開発って、毎年確実に進歩をしていますが、 なぜ一足飛びに先のCPUを作れないんでしょう? AppleがiPhone13ではA15bionicを搭載してそれは省電力化、高速化する云々の記事を見ましたが、 開発ソフトウェア、工場の設計で、何年か前からそれは計画されてるものですよね? なら何で、A13、14と一々段階を踏まずA15を開発してiPhone12に搭載出来ないんでしょうか? そんなに毎年毎年、盛り込みたい新しい技術の開発、新しい発明、知見があるのでしょうか? 「今は5nmプロセスだが、再来年は4nmプロセスに移行する」など読みましたが、4nmプロセスが分かってるなら(というか開発者の人達はその未来の設計図は作れるわけですよね)最初から、作ればいいんじゃないかとコンピュータの素人からは、思うんですが。 もっと言えば、ムーアの法則の一番極地、例えば30年後等のCPUは予測も付かない設計をなされているものだから、それを先取りして作る事は無理んでしょうか? どうしてCPU開発は未来がわかっていそうなものなのに毎年一歩一歩階段を上がるみたいな進化なのか、 詳しい人に聞いてみたいです。
ベストアンサー
実は作ってるんですよ CPUの製造は 論理設計 物理設計 マスク製造 ・ここまでが設計。この工程が終わったらテープアウトしたと言います 製造(前工程) 製造(後工程) ・エンジニアリングサンプル(ES)品完成 それぞれの工程は、数ヶ月から数年かかることもあり(製造(後工程)を除く)、とくに、プロセスルールが変わったときなどは、論理設計と物理設計だけで数年かかります。 また、ES品完成から量産まで更に半年ほどかかります。 また、iPhoneに使用するようなCPUは、発売してすぐに数百万個規模の数が必要になりますが、半導体は常に一定数の不良品が出るので(歩留まり率といいます)、"必ず"1個1個製品チェックをしています。 ようするに、設計はしたけれどまだ製品になっていないし世の中に出せない。状態なのです。 プロセスルールは現在3nmプロセスの一個先の2nmプロセスを開発中ですから、CPUも現在2nm用のものを設計しています。これが世に出てくるのは数年先です。
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なるほど…。 大変興味深く、分かりやすく教えて頂きありがとうございます。 そんなに、設計等に時間を要して 満を辞して世に出るのですね。 昔、社会科見学で日産の自動車工場へ行った時、 クルマは設計から試験〜工場建設、 量産などを経て世に出るまでスタート地点から10年掛かってると講義を受けたのを思い出しました。 因みに、ムーアの法則だと、年々、CPUの処理は向上して行きますが、ああいう段階的な進化は必然なのでしょうか? 論理設計/物理設計の際に、 何年か飛び級というか、何倍も何十倍も、向上したものは設計は不可能なんでしょうか? 逆に言えば、何で設計者達の脳が年々進化しているわけじゃ無いのに、 年々CPUが進歩していくのかが分かりません。 何が進化の元になっているんでしょうか?
質問者からのお礼コメント
CPUの開発工程を、分かりやすく紹介して頂いたので、ベストアンサーにさせて戴きます。 非常に理解しやすく、腑に落ちました。 他の皆さまも、懇切丁寧にご回答本当にありがとうございました! CPUに関する疑問が一部解れた気がしています。 また何か機会が有りましたらよろしくお願いします!
お礼日時:2020/12/6 19:03