核兵器がある時代、米ソは相互確証破壊を成立させました。
簡単に言えば相手に先制で核攻撃されたらこっちも核で報復を行うといったものです。
これにより米ソの間では直接的な戦争は行われませんでした。
そして相互確証破壊において重要になるのが第二撃能力です。
先制核攻撃によって敵の核報復能力を奪うのが第一撃能力というものなのですが、第二撃能力は敵の先制核攻撃から逃れた核兵器により報復を行う能力です。
第二撃能力がなければ先制した国の勝利が決定してしまい相互確証破壊がなり立ちませんので、米ソともに第二撃能力を発達させました。
ミサイル発射基地を隠ぺいする、核兵器を積んだ潜水艦や爆撃機を常に稼働させておくといったことで第二撃能力を高めるわけですが、最も簡単なのは核兵器の量を増やして生き残りやすくすることです。
ですので両国共第二撃能力向上のために核兵器を増産したのですが、核兵器が増えたら今度は第一撃能力用の核兵器も増やしてしまいます。
敵国の第一撃能力が増えたとなったら自国の第二撃能力を増やさなければならず、核兵器をさらに増産します。
そこからまた第一撃能力も増えていき…といった感じで100では収まらず延々と悪循環していくしかないのです。
しかしこれは永遠には続かず、キューバ危機を経てこの状態に疲れた米ソはデタント時代に移行しました。