「生まれてきたくない赤ちゃんは流れていく」という話の出典についての質問です。
「生まれてきたくない赤ちゃんは流れていく」という話の出典についての質問です。 どこかで「本当に生まれてきたくないと思っている赤ちゃんは、自然と流産していくものだ」または「流産するのは、本当に生まれてきたくない赤ちゃんだ」という話を耳にした覚えがあります。 そもそも腹の中の赤ちゃんには主体も自己もないので思うも思わないもないでしょうが、それはそれとしてそこそこ上手い屁理屈だと思ったので出典が気になりました。 初出や一次文献でなくても構いません。「そんなものはない」と断じていただくのも良いですが、どうして「ない」と結論づけたのかの理由も付記していただけるとありがたいです。 なお、この話についてなんらかの意見や感想を述べる行為はご遠慮ください。
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ベストアンサー
河童は生まれてくるかどうか自分で選ぶみたいですね。 以下、芥川龍之介の「河童」から抜粋。 その代りに人間から見れば、実際又河童のお産位、可笑しいものはありません。現に僕は暫くたつてから、バツグの細君のお産をする所をバツグの小屋へ見物に行きました。河童もお産をする時には我々人間と同じことです。やはり医者や産婆などの助けを借りてお産をするのです。けれどもお産をするとなると、父親は電話でもかけるやうに母親の生殖器に口をつけ、「お前はこの世界へ生れて来るかどうか、よく考へた上で返事をしろ。」と大きな声で尋ねるのです。バツグもやはり膝をつきながら、何度も繰り返してかう言ひました。それからテエブルの上にあつた消毒用の水薬で嗽うがひをしました。すると細君の腹の中の子は多少気兼でもしてゐると見え、かう小声に返事をしました。 「僕は生れたくはありません。第一僕のお父さんの遺伝は精神病だけでも大へんです。その上僕は河童的存在を悪いと信じてゐますから。」 バツグはこの返事を聞いた時、てれたやうに頭を掻いてゐました。が、そこにゐ合せた産婆は忽ち細君の生殖器へ太い硝子の管を突きこみ、何か液体を注射しました。すると細君はほつとしたやうに太い息を洩らしました。同時に又今まで大きかつた腹は水素瓦斯を抜いた風船のやうにへたへたと縮んでしまひました。 https://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/45761_39095.html
『河童』(の殊更にその部分)は私がよく話の引き合いに出すので存じておりましたが、おそらくそれではないと思われます(補足しておかなかった私のミスです、すみません)。あれは赤ちゃんに問いかけをしたあと、否との答えが返って来たら母親の腹に液体を注入する必要がありますが、こちらは現実に赤ちゃんが流れていく理由を説明したものなので(私の直感的推察も多分に含まれます)。 文脈としては、小説や神話からの引用というより、「赤ちゃんはコウノトリが運んでくる」「夜に口笛を吹くと蛇が出る」というように、己の都合や信条を正当化するために作られた逸話のほうが近いですかね。明確な出典はなくとも、その話がどの時期から登場したのかはわかるみたいなものです。
質問者からのお礼コメント
ご回答、感謝いたします。
お礼日時:1/26 20:05