冷戦が緊急暖和したときの1963年に米ソ間にホットライン開設とあるのですが、ホットラインとはどういう意味ですか?
冷戦が緊急暖和したときの1963年に米ソ間にホットライン開設とあるのですが、ホットラインとはどういう意味ですか?
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米ソは、キューバ危機で一歩間違えば、核戦争になりかねない状況でした。 原因は、米ソ双方が疑心暗鬼になり、軍事行動をエスカレートさせてしまった。 その上、双方の首脳同士が危機を打開しようと思っても、手紙や伝言を送ろうにも、お互いの大使館や官庁を経由する必要があり、思いの外時間がかかったのです。 電話をするのも、こうした外交ルートを通じて、「何日の何時に電話会談を行うのか?」と決めるために、外交交渉をする必要があった。つまり、電話一本かけるのに、何日も待たされるような状況でした。 アメリカの大統領がソ連共産党書記長に電話するには、 ホワイトハウス⇒国務省⇒アメリカの駐ソ連大使館⇒ソ連外務省⇒ソ連共産党 あるいは、 ホワイトハウス⇒国務省⇒ソ連の駐米大使館⇒ソ連外務省⇒ソ連共産党 のいずれかのルートを通す必要があります。 それぞれで、外交電文を書いたりするんで、異常に時間がかかる。 しかも、このルートのどこかで、「受けようかどうしようか?」と迷ったり、逆に「一体、何の御用ですか?」とアメリカに聞き返す官僚もいる。 アメリカ側が「いや、首脳同士の場で、直接申し上げたい事がある」といえば、ソ連側の官僚が「それじゃ、うちの書記長には取り次げない。ちゃんと、要件を教えてくれ」と言いかねない。 お互いの首脳は、 「今すぐ電話したい。 向こうから電話があれば、他の用事など後回しにして、すぐに出るつもり。」 そう思っていても、外交官などの官僚は、 「うちのVIPに何の用事かわからない怪しい案件を取り次ぐわけには行かない。そんな好い加減なことをしたら、こっちが上層部から怒られる。」 と考えて、結果的に、首脳同士の意思疎通を妨げるのです。 そのため、米ソは首脳同士が必要なときに直接会話できる電話回線を設置しました。 それが、ホットラインです。 もちろん、ホットラインを引くにも、交渉が必要です。時間がかかります。 それでも次の危機を迎える事を考えると、予めやっておく必要がある。 また、こうした交渉をするぐらいらいなので、一時的にですが、緊張が緩和した、というよりも、せざるを得なかったのです。 なお、「緊急緩和」ではありません。 そんな面倒なことをするなんて、アホだと思いますか? しかし、官僚機構を経由せずに、電話をするのも、外交の常識から言えば、アホなんです。 突然、ある国の首脳のオフィスに電話が来て、「私は、バツバツ国の大統領です。帰国の大統領と直にお話がしたい」というのを取り継いでしまった。 電話を受けた首脳は、相手が本物の某国大統領だと思って、外交上の案件について、本当の話をしてしまう。 そんなことになれば、外交秘密が流出するんですよ。 実際、各国の首脳や閣僚がそういういたずら電話に引っかかる事件は、稀ですが、あるんです。 英外相にアルメニア首相名乗るニセ電話、18分会話後気づく https://jp.reuters.com/article/johnson-idJPKCN1IQ0IB
質問者からのお礼コメント
わざわざ長文ありがとうございます。 よくわかりました。
お礼日時:3/4 23:46