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梯久美子さんの薔薇のボタンの感想や心に残った文など簡単に教えてください。

文学、古典 | 読書883閲覧

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2021/7/13 10:15

学士会会報の第896号を読んでいたら、表題のような文章に行き当たった。筆者は梯久美子。「散るぞ悲しき」の著者だ。 「細長く裂けた二枚の布地。色は褪せたピンクで、プラスティックの赤いボタンが縫いつけられている。薔薇のかたちをした飾りボタンだ。」 この布地は、「昭和二〇年八月六日の朝、広島の少女が着ていたブラウスだ」と説明されている。 梯さんの書斎にかけられている、フォトグラフ作家石内都さんの写真に写っているのは、そうしたブラウスの切れ端だ。 写真集「ひろしま」には、被爆した当時に広島の人たちが身に着けていたものが写っている。 梯さんは、その服たちの美しさに驚く。戦争が美と関係するのか? 硬直した戦争観に、石内さんの写真の「美」は、揺さぶりをかける。 梯さんは、石内さんにインタビューを繰り返し、二年前に広島平和記念資料館での撮影に同行する。 ここで初めて薔薇のボタンに会う。 こんな美しいブラウスを着ていた少女を巡って梯さんは感慨を漏らしているが、そして新しい作品にお目に書かれることを楽しみにしているが、私の感じ方は少し違う。 「もんぺの下にひそかに身に着けていた」美しいものは、いつも身に着けていたのではあるまい、という気がするのだ。 八月六日は、どこかの夏祭りではなかったか、と思うのだ。 いずれにしても、むごい戦争下にあって美しいものを身に着けたい望む少女の感情は、いつ、どんな時でも変わらないと思う。