以前の新聞記事に「これからの寺の経営を考えるお坊さんの勉強会が開催された」という記事が掲載されました。少子高齢化と若年層の宗教への無関心により檀家制度が崩壊しつつあり、今後寺を維持していくためにどうすべきかを考え合うといった内容でした。
現実問題としてはそうなるのでしょうが、私はこの記事を読んで、在家の部外者ですので無責任な意見ですが、もっと布教に力を入れていただきたいと思いました。
例えば、お釈迦様と阿弥陀様の違いを知らない。お念仏や坐禅がどういうものかわからない。お寺さんに来てもらってるのに宗派を知らない…そんな人ばっかりですよ。訳のわからんお経を唱えてお茶を飲んで世間話でお布施をもって帰っていく。お寺の坊さんというだけで敬われてた時代はとっくに終わっています。それにまだ気付かない…これは旦那寺の怠慢だと思います。
観光寺院でもそうですよね。売りは歴史、仏像、文化財、庭、花、ご利益、果てはお守り、御朱印まで趣向を凝らして、仏様のお慈悲の話など聞いたこともありません。
仏様の慈悲について、宗祖の苦悩について、子育てに仏教をどう生かすか、年老いていく身としてどういう心構えをするのか、日常生活のなかにどう仏教を取り入れていくのかそういう切り口はいくらでもあるはずで、布教をおろそかにしてお寺の存在意義はありません。