ID非公開さん
2022/1/21 19:18
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古文の助動詞「なり」について教えて下さい。
古文の助動詞「なり」について教えて下さい。 四段活用の動詞に接続する場合、終止形と連体形が同じ形になると思うのですが、伝聞推定と断定はどのように見分ければ良いですか? その場合は接続で判断するのではなく、意味で判断するしかないのでしょうか?回答宜しくお願いします。
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>その場合は接続で判断するのではなく、意味で判断するしかないのでしょうか? 汝の言ふ通りなるべし。四段動詞に接続したる「なり」は、文脈を頼むほかあるまじ。 (a) 断定存在「なり」のケース ・例文:浪の立つなること(土佐日記) ・訳文:波が立っているのである。 ・補足:四段動詞「立つ」+なり (b) 伝聞推定「なり」のケース ・例文:人を食らふなる(徒然草) ・訳文:人を食べるそうだよ。 ・補足:四段動詞「食らふ」+なり (a)の例文は、土佐日記中に登場せる人物の言ひたるセリフなり。この登場人物は、げに海をば間近に見てこのセリフを言ひたるものなれば、「伝聞推定」は不合理なるべし。されば、(a)は「断定存在」なり。しかるに(b)の例文は、その前後の文をも引用したらば、【「奥山に猫またといふものありて、人を食らふなる」と人の言ひけるに】といふ文章なり。「~と人の言ひけるに」なれば、これは明らかに「伝聞推定」なるべし。 (a)と(b)のいづれも、四段動詞に「なり」が接続したる点にて同じなり。しかも四段動詞なれば、連体・終止は同形にて、形式より判断することは得べからず。しかるに一方は断定存在、他方は伝聞推定と判断結果の別るるは、ひとへに前後の内容(文脈)を考慮したるがゆゑなり。
あ、失礼、(b)を伝聞推定と判断したる根拠として、「~と人の言ひけるに」を取り挙ぐるは誤りなり。我は引用の格助詞「~と」に関する引用者と被引用者を混同せり。かたじけなし。 ※ されど「(b)のケースが伝聞推定」といふ判断結果それ自体は正しかるべし。
質問者からのお礼コメント
ありがとうございました。
お礼日時:1/22 8:23