2001年に亡くなった古今亭志ん朝さんの対談集だか、この本には泣
かされた。
対談の相手は山藤章二、金原亭馬生、結城昌治、池波正太郎、
池田弥三郎、中村勘九郎(当時)、荻野アンナ、江國滋、中村江里子、
林家こぶ平(当時)と多彩。
山藤さんとの対談が1973年で最後のこぶ平との対談が2001年、時系列に並んだ話を読んでいると落語家志ん朝の話っぷりがよみがえってきて…なんというかそれだれで懐かしさがこみあげてくる。
しかも、話の中にいろいろと「これから」のことが出てくるので、これはもういけない。
本当に早すぎなんだよなぁ…と今になっても悔しさでいっぱいになってしまう。
中身に関して言えば、志ん生師匠の思い出話から落語論的な深い話までいろいろあって本当におもしろい。
特に落語好きだった江國滋との話がいい。
志ん朝が「落語は弱い芸だ」と言っているのが印象的だ。たとえば立食のパーティなどで一席なんていっても絶対うまくはいかない、食べ物が出てるだけでダメな芸だと彼は言う。
その弱さを自覚していたところが志ん朝の強さでもあった。
最後のこぶ平との対談は亡くなる少し前、「こぶにはスターになってもらいたい(中略)売れなきゃ許さないと思ってますよ」という言葉には万感の思いがこもっている気がした。お薦めです。
いと思ってますよ」という言葉には万感の思いがこもっている気がした。