トラバントってどういう車だったんですか?
トラバントってどういう車だったんですか?
ベストアンサー
東ドイツの「国民車」として作られたクルマです。ドイツ語で「つき従う者」転じて「衛星」の意味で、当時東独の宗主国だったソ連の「スプートニク1号」(世界初の人工衛星)を賞賛する意味合いでつけられた名前です。 1958年に市販開始されたクルマですが、その基本設計は戦前の小型車の特徴を色濃く残しており、西独の「フォルクスワーゲン・ビートル」、フランスの「ルノー4CV」「シトロエン2CV」、イタリアの「フィアット500」、イギリスの「ミニクーパー」などの戦後期の小型車と比較すると、外見こそ同世代っぽい感じですが中身はあきらかに1世代遅れたものでした。まあこの点は当時の日本よりはまだぜんぜんマシですが。 問題は東独の政治・経済体制においては「改良」のモチベーションが社会のどこからも生まれず西側の小型車がどんどん発展していく中でトラバントはろくな改良も受けることがないまま生産され続け、それでいながら「自由な移動」が統制社会にそぐわないことから生産量を伸ばすことが出来なかったため「発注しても納車まで十年以上かかるのが当たり前」という状況を生んでしまいました。東独の人たちの憧れの「マイカー」は西側では時代遅れのシーラカンスだったんです。 それが転じてドイツ統一後は「東独という時代・地域を象徴するアイコン」という扱いになっており、現在放映中のアニメ「スパイ×ファミリー」なんかではトラバント出てくるだけで「あ、このアニメの舞台は東ドイツをイメージした国なんだな」と分かります。
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質問者からのお礼コメント
詳しく教えていただき、ありがとうございました!
お礼日時:5/21 22:29