地元の浜辺をキレイにしようと思ってます。プラスチックゴミが多いんですが、ゴミとしてよりもアルミ缶のように売却とかって出来ないんですかね?出来るなら地域ぐるみで清掃活動に推薦して地域財源に繋がると思って
地元の浜辺をキレイにしようと思ってます。プラスチックゴミが多いんですが、ゴミとしてよりもアルミ缶のように売却とかって出来ないんですかね?出来るなら地域ぐるみで清掃活動に推薦して地域財源に繋がると思って ます。
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ベストアンサー
20年ほど以前から海洋・海岸ごみ問題に取り組んでいる団体に所属している者です。海岸ごみ回収に興味・関心を持っていただき、ありがとうございます。 さてご質問について、 > アルミ缶のように売却とかって出来ないんですかね? ということですが、結論から言いますと、大変残念ながら、現状ではほぼ不可能と思われます。 理由はいくつかありますが、まずは以下の2つが大きなハードルです。 1.そもそも現金化できるほど大量のアルミ缶やペットボトルなどを集めること自体が難しい。 2.仮に大量のアルミ缶やペットボトルを集められたとしても、大半のゴミは塩分や砂、廃油、付着生物などで汚れているので、リサイクル不適とされて有償引き取りの対象にならない。 特に2.については、実際に現場に出て回収を経験してみないと分かりにくいことですが、我々が海岸から回収するペットボトルや空き缶などでも、分別してリサイクル原料に出来るだろう(≒有価物になり得るだろう)と判断出来るのは、回収したペットボトルや空き缶などの、良くて半分程度です。その他は砂、泥、様々な生物などが付着してしまっていて(あと、タバコの吸い殻が詰まったものも良く拾います。苦笑)、そうしたものはリサイクルには回せません。「埋め立て」や「焼却」処分に回さざるを得ません。(また缶やボトル以外のプラごみについては言わずもがなで、とても通常のリサイクル原料としては使用できないものばかりです。) また1.に関しても、時々、自転車等に山のように空き缶を積んで運んでいる方の画像などをWEB等で見ることがありますが、通常の海岸清掃活動であれだけの量を回収するとしたら、どれほどの人数や期間、回数が必要になるでしょうか。そしてペットボトルや空き缶だけであれほどの量を回収するとしたら、その何倍の量、換金不可能なプラスチック製品の破片や袋の切れ端、粗大ごみなどを回収することになるでしょうか。ペットボトルやアルミ缶などを大量に回収出来る海岸には、当然、それ以外の、さらに汚れていて処理に困るごみも大量に漂着しますから、「お金になりそうなもの」だけを回収するなどということは出来ないのです。(それでは「ごみの回収」ではなくなってしまう。苦笑) 一方、今、「海洋プラごみからの再生原料で作られた靴」とか、「(同)衣類」等が販売されて話題になったりもしていますよね。しかし知人の再生事業者に聞いてみると、おそらくは海洋プラ汚染問題の啓発のための象徴的な取り組みであって、それ単独では営利事業としての採算は取れていない「はすだ。」と言います。「プラごみの回収と洗浄のコストを考えるとペイしない。」「ブランド育成のための宣伝費や広告費・販促費のような位置づけで費用を支出して、他の事業で補填しているに違いない。」と。 もちろん、質問者さんがNPO法人などを設立されて、ごみ回収の費用の一部や全部を企業や行政からの補助金や助成金、寄附などで賄うという枠組みを作ることは可能です(実際、私たちの団体でも、ごみ回収に必要な資金の一部は企業さん等から寄付金をいただいて実施しています)。 でもそれでは、質問者さんがお考えになっている枠組みとは異なりますよね? (もちろん、ごみ回収の必要経費の一部でも企業さん等にご寄附いただくことは、活動の継続にとっても大変大きな助力ですので、ご寄附いただく企業さん等には、私たちも日々、たいへん感謝しているのですが。) ですから、これからの時代にも、例えばプラスチック製品の製造に石油由来のバージン原料を使用することが禁止になって、再生原料としてのプラごみの価格が異常に高騰することでもない限り、地域活動の財源になるレベルまで、浜辺のプラごみ等の価値・価格が上がることはないと思います。 また、たとえプラスチック製品製造時のバージン原料使用禁止の法律などが出来たとしても、その時にも最初に再生資源としての価値が上がるのは、現在と同様、生産工程での廃棄原料や、せいぜい、商業施設や自販機横などの回収箱由来の空きボトルなどでしょう。自然環境中に排出されて様々な汚れが付着した「海ごみ」由来のプラスチックなどは、再生原料としては最低品質にならざるを得ず、仮に有償で取引されるとしても最安値になるという構図は、今後とも変わらないはずです。そもそも「価値がない」と判断されるから捨てられるわけですから、それが「価値がある」ということになれば、捨てる行為自体が大幅に減少することになります。 (もちろん、そうなれば我々としてはうれしい話なのですが、一方、「それを活動原資とする」という考え方では、「ごみが減る=活動原資が減る」になってしまいますね。苦笑) 結局、野外に放置されて「ごみ」となったものは、それが市区町村などの自治体・行政であれ、我々のようなNPO団体・ボランティア団体であれ、回収しようとする者がコスト(マンパワーを含む)をかけて回収するしかありません。「ごみ」の処理にはコストがかかるのです。 (逆に言えば、仮にごみの「ポイ捨て」などをする人間がいるとすれば、彼らは本来、自分が負うべきごみ処理のコストを、自治体・行政や、私たちのようなNPO・ボランティア団体等に押し付けているということになります。) なお、質問者さんがそれでもなおかつ、「(活動原資は他から調達する必要があるけれども)地元の浜辺をキレイにしたい」というお気持ちを持って、ごみ回収活動を実践したいとお考えなのであれば、まずはごみを回収する場所の自治体に相談されることをお勧めしておきます。 というのは、ごみ回収のボランティア団体などに対しては、ごみ袋の無償提供など、様々な補助・援助をしてくれる自治体が増えて来ていますし、逆に海岸などで回収したごみを、無断で通常の生活ごみ回収などに出すことは、厳密には法律違反になるからです。そこで集めたごみをどこに保管し、いつ、どのように回収してもらうかは、事前に自治体に確認したうえで、その指示に従って処理することが必要です。これを怠った場合、海岸で集めたごみが「産業廃棄物」としての扱いを受け、それを一般のごみ収集所に置いておくことも「不法投棄」としての扱いをうける可能性があります。 実際のところ、今は「海岸漂着物処理推進法」という法律が出来て、そのような事例はなくなっていると思いますが、この法律の成立以前には、ボランティア団体が集めた海岸ごみの受け入れを自治体に拒否されて、その団体が改めてお金を出して廃棄物処理業者に引き取りを依頼するようなことも、実際にありました。わざわざごみを集めて海岸をきれいにしたのに、その集めたごみの処理にお金まで取られるというのでは、ボランティアのごみ回収なんて、馬鹿馬鹿しくてやってられないですよね?(苦笑) それで、平成21年に「海岸漂着物処理推進法」が出来て、今では各自治体に、海岸漂着物等の回収や、回収された海岸漂着物等の処理等への協力が義務付けられるようになりました。でもそれまでは、「海岸で回収されたごみは住民が排出した生活ごみではないので、その処理を自治体が引き受ける=自治体の経費を使うのは、法的根拠がない。廃棄物処理法の原則を外れている。」とされていたのです。 と言うことで、残念ながら、回収した(プラ)ごみを財源化するのは難しいとは思いますが、海岸のごみ回収作業自体は、見ると聞くとでは大違い。必ずしも楽しくはないですし、肉体的には大変な場合も多いですが、それでも、実際にやってみなければ分からないたくさんの“学び”を得ることが出来ますし、やり甲斐もあるものです。先日も初めてごみ回収に参加した高校生が、帰りがけに「誰でも一度は参加してみるべきだと思う。」とか言ってました。(まあ、私などに面と向かって「もう二度とやりたくない。」とは言えなかっただけかもしれませんが。苦笑) 仮に質問者さんが個人的に実施するのが難しいとお感じになったとしても、自治体に聞くと既存の活動団体を紹介してもらえる場合などもあります。ぜひ一度、自治体の担当窓口にご相談してみてください。 新しい“仲間”が増えることを期待しています。
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